腹ごしらえした後、行ったのが、フューレンコーディネート・ブースです。理由は2つ。一つは、毎年、欠かさず聴いている和田博巳先生の講演があったこと。二つ目は、自宅のスピーカーPIEGA(スイス)とANTHONY GALLO(アメリカ)の代理店であることです。
和田先生の講演で使用した機材は、真空管で有名なOCTAVE(ドイツ)のプリ・アンプHP700とモノ・パワーアンプMRE220、プレイヤーはアナログがLINN、デジタルは不明、スピーカーは、Brodmann(オーストリア)のVienna Classic7でした。
先生の公演直前に、このセットでクラシックを再生していましたが、いかにもドイツ的な解像度のある輪郭のくっきりした音でありながら、アコースティック楽器の温かみも感じられる素晴らしいシステムです。アンプとスピーカーを合わせると700万円ぐらいしますから当然かもしれません。
スピーカーがBrodmann VC7。見た目は小さいですが、低音再生が独特で、クリアかつ広大なサウンドステージを再現します。
さて、講演が始まり、最初に、先生が選んだディスクが、デューク・エリントン・ビッグバンドの「The Great Paris Concert」のLP。先生曰く、一関の有名なジャズ喫茶「ベイシー」のオーナー菅原さんが、ジャズLP史上最高の録音とお墨付きを出したアルバムで、和田先生も同意見とのこと。もし、レコード店で見つけたら絶対に買うべしとおっしゃっていました。
この録音の何が凄いかというと、サウンドステージで、ビッグバンドの配置(左からピアノ、ベース、ドラムス、ホーン・セクション)が手に取るように分かり、各楽器の分離がクリアで音色が艶やかだからだそうです。2曲聴かせていただきましたが、確かに、すばらしい臨場感のある録音で、音楽が生き生きしていて、デューク・エリントン・ビッグバンドが目の前で演奏しているように聴こえました。もちろん、優れたシステムで再生しているからということもありますが、ディスクの良さのなせる技です。私は、CD時代になってからアナログ・プレイヤーは止めてしまったので、自宅で聴くことができません。いつか、一関の「ベイシー」に行って、全曲聴かせてもらおうと思います。
なお、デューク・エリントンを聴き終えた後、和田先生が、Brodmannのスピーカーは、ウィーン製だし、クラシック専用のように思われがちだが、ジャズやロックのようにビートの強い音楽との相性も良いことを理解してもらいたくて、このLPを再生しました、と言われました。良いスピーカーは音楽のタイプを選ばないのだなと再認識しました。
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これはCDです。和田先生が最高と言われたのはLP(アナログ)ですから、お間違えなく。参考までに掲載します。なお、このアルバムはLP2枚組ですが、CDは別々に販売しているようです。
長くなりました。和田先生の講演の続きをまた書くことにします。