みなとみらいホール2階ロビーから撮影したパシフィコ横浜とヨコハマグランドインターコンチネンタル。今日は快晴だったので、iPhoneでもかなり綺麗に撮れました。
今日のプログラムの表紙。一昨年秋に始まったインバル=都響のマーラー・ツィクルスもいよいよ大詰めです。この日の8番と来週16日(日)の第9番(横浜みなとみらいホール)で完結します。第8番は、大規模な独唱と合唱入りですし、マーラーの交響曲の中でも人気が高いので、チケットは完売でした。
今日の演奏者一覧。第8番は、歌唱が、8人の独唱(ソプラノ3、メゾ・ソプラノまたはアルト2、テノール、バリトン、バス)と混声合唱2組、児童合唱で構成され、オケも弦5部、4管編成に、ハープ4、大太鼓、シンバル、グロッケンシュピール、マンドリン、チェレスタ、ピアノ、オルガン、ハーモニウム等に加え、トランペット8、トロンボーン6のバンダ(別働隊)が、ホール最上階後方に配置される大編成で、マーラーが初演した1910年のミュンヘン万国博覧会の時は、総勢1,030人で演奏されたことから「千人の交響曲」と呼ばれているように、この曲は古今のオーケストラの最大規模の作品です。みなとみらいホールはそれほどキャパシティが多くないこともあり、今日は、オケ・歌唱合わせて600人程度でした。
マーラーがこの曲を作曲した動機は有名な話なので、詳細は割愛しますが、普通の交響曲のように楽章で分かれているのではなく、第1部 賛歌:来たれ、創造主たる聖霊よ(演奏時間約25分)、第2部 ゲーテの「ファウスト」の最終場(約60分) となっています。最初から最後まで声楽が付く特異な交響曲ですから、オラトリオとも言えますが、オケの演奏だけ聴いていると交響曲の要素(主題、緩徐、スケルツォ、フィナーレ)が、ちゃんとあるので、やはり交響曲なのでしょう。
聖霊という言葉は、キリスト教徒でないと分かりにくいと思いますが、信徒が右手で十字架の印を切るとき、「父と子と聖霊」と唱えます。これは三位一体を表し、父は神、子はキリスト、聖霊は神が人間界に送る力です。キリストの受難の後、ペトロやパウロなど弟子たちが布教活動したのは、聖霊の働きです。ですから、聖霊がなければキリスト教も成立しえなかったわけです。実は、マーラーが、この第8番を作曲したのも、その経緯をみると、聖霊が彼の上に降りてきたからでしょう。本人が、「この聖霊降臨節の賛歌(マインツ大司教作)を読んだ時に、稲妻のように主題だけでなく第1部全体のメロディが湧き、同時に、ファウストの最終場もイメージできた。」と述べているからです。マーラーはこの大作を、わずか2ヶ月で完成させています。
マーラーがこの曲を作曲した動機は有名な話なので、詳細は割愛しますが、普通の交響曲のように楽章で分かれているのではなく、第1部 賛歌:来たれ、創造主たる聖霊よ(演奏時間約25分)、第2部 ゲーテの「ファウスト」の最終場(約60分) となっています。最初から最後まで声楽が付く特異な交響曲ですから、オラトリオとも言えますが、オケの演奏だけ聴いていると交響曲の要素(主題、緩徐、スケルツォ、フィナーレ)が、ちゃんとあるので、やはり交響曲なのでしょう。
聖霊という言葉は、キリスト教徒でないと分かりにくいと思いますが、信徒が右手で十字架の印を切るとき、「父と子と聖霊」と唱えます。これは三位一体を表し、父は神、子はキリスト、聖霊は神が人間界に送る力です。キリストの受難の後、ペトロやパウロなど弟子たちが布教活動したのは、聖霊の働きです。ですから、聖霊がなければキリスト教も成立しえなかったわけです。実は、マーラーが、この第8番を作曲したのも、その経緯をみると、聖霊が彼の上に降りてきたからでしょう。本人が、「この聖霊降臨節の賛歌(マインツ大司教作)を読んだ時に、稲妻のように主題だけでなく第1部全体のメロディが湧き、同時に、ファウストの最終場もイメージできた。」と述べているからです。マーラーはこの大作を、わずか2ヶ月で完成させています。
私は、このインバル=都響のツィクルスを、仕事の都合で行けなかった6番以外、全部聴いていますが、今日の8番は、5番と並んで、最も良かったように感じます。オケは、最強奏でもアンサンブルが崩れませんでしたし、各楽器のトップのソロがいずれも一級品(特に、ヴァイオリン、チェロ、トランペット、ホルン)でした。歌唱も、児童合唱がオケのすぐ後ろで、女声が左右の2階、男声と独唱が中央2階と分かれていましたが、いずれも発声が明瞭に聴き取れましたし、ボリュームもオケに負けていませんでした。独唱で驚いたのは、ソプラノの森麻季さんが、2階客席の右側で歌ったことです。まさに天上からの歌声で、演出効果抜群でした。また、独唱者で、一番印象に残ったのは、テノールの福井さんです。日本の第一人者らしい見事な歌唱でした。そして、各部のフィナーレで、登場したバンダ(別働隊)も圧巻でした。3階席の左右に、トランペットとトロンボーンが並んで、演奏したのですが、その音量の凄いこと。舞台のオケと独唱、合唱もトゥッティで最強奏しているところに、このバンダも加わるのですから、サラウンド効果満点で、ホール全体が音の渦の中に巻き込まれたような、まさに宇宙の鳴動といった趣です。マーラーの頭の中で鳴り響いた聖霊の賜物が再現されていると感じました。
この曲のCDを数枚持っていますが、これは録音で聴くのではなく、大編成の生演奏で聴くべき作品だなと改めて認識しました。頻繁には演奏されませんが、演奏会があるときは、また聴きに行きたいと思います。来週のツィクルス最終回の第9番も聴く予定です。