支払基金4月23日プレスリリースその2 | セカンドライフの生きがい

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医療事務システム開発・販売会社を譲渡後、61歳でセカンドライフに入りました。別の仕事を続けながら生きがいを探す日々です。

電子カルテ「ユニカルテ」株式会社ユニコン社長の鶴田真一郎です。

昨日4月29日に引き続き社会保険診療報酬支払基金が4月23日(月)に公表したプレスリリースの中から「平成24年3月審査分の突合・縦覧点検における審査状況(速報値)」をご紹介します。


支払基金プレスリリース2

支払基金は24年3月審査分からレセプト電子請求について「突合・縦覧点検」を開始しています。その最初の月の審査状況についての報告です。赤枠にある通り、突合点検が10.5万件、3,102万点、縦覧点検は1.4万件、423万点と各々査定されたとなっています。

24年3月の請求の確定状況は5月にならないと発表されないため、総請求に占める突合・縦覧点検の割合ははっきりしませんが、確定状況の最新データである24年1月を見ると、総件数は7,512万件、総点数は8,599億9,768万点ですから、突合・縦覧点検の割合は、総件数の0.16%、総点数の0.004%となり、それほど多い数字ではありません。しかし、査定金額は3億5,250万円とかなりの金額になっています。しかも、これは点検開始月のもので、今後、査定額が増えることが予想されます。

なぜかというと縦覧点検は、過去半年分遡って、同一患者のレセプトをチェックしますが、24年2月以前のレセプトは点検対象に含めないことになっていたからです。日本医師会が各都道府県医師会に送付した「支払基金における突合点検、縦覧点検の実施について」に、このことに言及した箇所があり、24年3月分の縦覧点検は、外来の縦覧点検ではなく、入院と外来レセプトを点検する「入外点検」のみだったのではないかと思われます。(上図に「入外点検」は縦覧点検に含まれると明記されています。)そして、突合点検に比べ、縦覧点検の査定数が十分の一だったことも、縦覧点検が、まだ行なわれていないことを表しているのだと思います。

平成24年4月請求分から、一ヶ月程度の処方や検査の頻度などについて縦覧点検が始まります。医療機関は、同一患者の3月と4月のレセプトを比較して、査定されないようにしなければなりません。ただ、投薬や検査の間隔が点検対象になるからといって、レセプト作成時に算定日を調整することは問題ですから、再診の受付時点で、カルテを確認するなど、投薬と検査の間隔をチェックすることが重要です。電子カルテの利用をお薦めしたいと思います。

なお、先ほどの日本医師会の「支払基金における突合点検、縦覧点検の実施について」にある突合点検、縦覧点検の説明文を参考に掲載します。ご確認下さい。


突合点検の概要

突合点検の概要です。医療機関の傷病名と調剤薬局が処方した医薬品の適応症の点検などを行います。

縦覧点検の概要

縦覧点検の概要です。過去半年間の同一患者のレセプトを点検します。査定対象は、あくまで当月分のみです。この図の最後にある通り、まずは開始月だけで、翌月以降順次増やすとなっています。24年3月に開始されましたので、8月から半年分遡れることになります。