淡交フィル第49回定期 | セカンドライフの生きがい

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医療事務システム開発・販売会社を譲渡後、61歳でセカンドライフに入りました。別の仕事を続けながら生きがいを探す日々です。

6月12日(日)このブログでご紹介した淡交フィルハーモニー管弦楽団
第49回定期演奏会に行ってきました。

このオケは、都立両国高校の現役学生とOBで構成されるアマチュア・
オーケストラです。
だいたい年2回のペースで定期演奏会を行っています。
今回が49回目ですから、歴史のあるオケです。

場所は、船堀タワーホール(江戸川区立)大ホール
前回(48回)もこのホールでした。ここの定員は750名だそうですが、
今日は、ほぼ満席状態だったので、700人ちかい入場者だったと思います。

ベートーヴェンとビゼーという日本でなじみの深い作曲家のプログラム
も幸いしたと思いますが、固定ファンが結構いるということです。
継続は力なりといいますが、まさにその通りです。

今日のプログラムは

指揮 新田ユリ

1 エグモント序曲       ベートーヴェン
2 アルルの女 第1、第2組曲  ビゼー

  
休憩

3 交響曲第3番「英雄」     ベートーヴェン

アンコール
過ぎにし春  グリーク
都立両国高校校歌


$鶴田真一郎のブログ-淡交フィル49回プログラム

毎回、アンコール曲の後に校歌が演奏されます。
ウィーン・フィルのニューイヤー・コンサートの最後は
「ラデッツキー行進曲」で、観客が手拍子しますが、
淡交フィルは会場全体がオケの伴奏で、校歌を斉唱するのが
習わしです。

この校歌は素晴らしい曲です。
明治37年 吉丸一昌 作詞 石原重雄 作曲 だそうです。
エルガーを彷彿とさせる佳曲です。

私は両国高校出身ではないので、上手く歌えませんが、
覚えたいと思っています。

さて、演奏の感想です。

エグモント序曲

これはベートーヴェンの序曲の中でも、特に有名な曲なので、
演奏される機会も多いですから、善し悪しが分かりやすい
と思います。ですから、アマチュアが前プロに取り上げるのは
危険だなと思ったのですが、全体に非常に良い演奏でした。
指揮者と一体になってひたむきに演奏していました。
ベートーヴェンは流して演奏してしまうと全く曲が生きないと
思うのですが、そういうところが微塵もありませんでした。
アンサンブルの乱れなどありましたが、破綻なく演奏したのは
立派だと思います。特にホルンが大奮闘でした。

アルルの女第1、第2組曲

あまりにも有名な前奏曲、ファランドールが心配だったのですが、
エグモントと同じく、オケが指揮者と一体で熱演していたので、
良かったです。メヌエット、アダージェット、カリヨンも叙情的
な好演でした。フルート、オーボエ、クラリネットなど木管うまい
です。サックスも良かったです。

交響曲第3番「英雄」

さて、メインの英雄です。これはベートーヴェンが交響曲作曲家の
頂点に君臨する端緒となった作品であり、ハイドン、モーツァルトなど
彼以前の大作曲家を凌駕したことを証明した特別な作品です。
演奏時間が1時間近くある大作であり、演奏者にとって一時も気の
抜けない作品のようです。アマチュアにとっては難攻不落の城のような
ものではないでしょうか。果敢に挑戦した淡交フィルに敬意を表したい
と思います。

前置きが長いですが、今回の演奏は練習時間が足りなかったように
感じます。大震災で練習が思うようにできなかったのかもしれません。
前半の2曲同様、懸命に演奏していることは伝わってきましたが、
英雄は一筋縄ではいかない作品です。特に、第4楽章はアンサンブルが
厳しかったように思います。おそらく最も難しいところなのでしょうが。

ただ、全曲を通してみると、アマチュアのオーケストラとしては健闘です。
終演後の拍手も盛大で、聴衆は満足していました。私もそうです。

次回は、50回記念コンサートで、来年1月、文京シビックホールで
シベリウス交響曲第2番をメインに行われる予定です。
指揮は今回と同じ、新田ユリ先生です。

今から楽しみです。

なお、今回のアンコール、グリークの「過ぎにし春」は、
昨年亡くなった淡交フィルの常任指揮者だった故鈴木行一先生と
東日本大震災の犠牲者に捧げられました。