この5月18日はグスタフ・マーラーの100回忌でした。
これを記念して、ドイツのライプツィヒで、ウィーン・フィルなど欧米の
一流オーケストラと指揮者が、約2週間にわたって日替わりで、マーラーの
全交響曲と主要な歌曲集を演奏する「国際マーラー・フェスティバル」
が開かれました。
ドイツの放送局のウェブサイトが、即日、演奏会の模様をHDストリーミング
してくれたので、私も鑑賞することができました。
しかも、ベルリン・フィルのデジタルコンサートと違って無料です。
すべて見たわけではありませんが、いずれも充実した内容だったので、
マーラー没後100年にふさわしい音楽祭でした。
さて、このマーラーの記念月にふさわしい強力なCDが、
いくつかリリースされたので、私も3枚購入したのですが、
そのうちの2枚は、交響曲第3番二短調です。
実は、6月にも3番の新譜が2枚出ます。3番の新譜ラッシュです。
同じ曲が重なると、営業的にマイナスではないかと思うのですが、
少し前にも、2番「復活」の新譜が、集中した時があったので、
レコード会社は話題作りのために、リリース時期を集中させて
いる気がします。
今、クラシックCDは店舗よりネットで購入するのが一般的になっています。
ネットはマルチバイ(3枚30%引きとか)が当たり前なので、聴き比べる
ためにまとめて買うマニアが多いのかもしれません。
どうも私もその一人のようです。
さて、今回私が購入したCDは
1 クラウス・テンシュテット指揮 ロンドン・フィルハーモニック
マーラー交響曲全集(EMI)CD16枚組
これは1998年に亡くなったテンシュテットが77年から86年にかけて
セッション録音した名全集の再発売ですが、88年から93年に
ライヴ録音された5番、6番、7番がボーナスとして4枚のCDに収録
されているものです。しかも値段がわずか3,080円です。(安すぎ!)
私は以前出ていた全集の録音が、あまり良くないと聞いたので、
持っていませんでした。最近のEMIは、一念発起したのか、録音に
こだわるようになってきたので、今回は、安いですし、おまけの
ライヴが魅力的なので、買うことにしました。
まだ、5月31日の時点で、他の2枚と聴き比べるための、3番しか
聴いていません。演奏はたいへんすばらしいと思います。録音も
やや時代を感じさせるものの、ざらついたり、金属的な感じが
しない自然な音です。EMIは世界のトップブランドにふさわしい
仕事をしていると思います。
2 マリス・ヤンソンス指揮 ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団
マーラー交響曲第3番二短調
ヤンソンスとコンセルトヘボウが、進行中のマーラー全集の第5弾。
これまで、1番、2番、5番、6番がリリース済みで、すべてSACDです。
レーベルはコンセルトヘボウ管の自己のRCO。ライブ録音です。
私は、このコンビのCDは、ストラヴィンスキーやブラームスを持っています。
しかし、マーラーはどうかなと思い、買わずにいたのですが、前回出た2番
が評価が高かったのと、ボーナスに全曲のライヴDVDも付いて、
CD一枚分強の 値段だったので、買ってみました。
これが、聴いてびっくりというか、素晴らしい演奏に加えて、録音もとびきり
の極上サウンドで、大いに満足しました。
ヤンソンスとコンセルトヘボウのコンビは、今、最強かもしれません。
すぐ2番の前に出ていたCDを買おうと探しましたが、輸入盤は品切れしている
ようです。高いですが、国内盤を買おうかと思っています。
さて、この3番は最新作です。いつもはリリースされてから買うのですが、
今回は、期待していたので、ネット予約しました。
この3番にはボーナスDVDは付いていません。多少、高くなっても付けて
ほしかったと思います。
演奏内容ですが、村井 翔 先生が、HMVのレヴューに書いている批評を
ご覧いただくのが良いと思います。私は、2番に勝とも劣らない名演だと
思います。録音も相変わらず極上です。大推薦!
さきほどのテンシュテットも優れていますが、ヤンソンス&コンセルトヘボウは
その上をゆく名演です。(テンシュテット・ファンの皆様すいません。
ロンドン・フィルハーモニックとコンセルトヘボウの違いもあります。)
もう一枚ありますが、だいぶ長くなりましたし、遅くなったので、
続きは次回です。