警備員になって日が浅い僕にとって、

現場で働く作業員は横柄で、無骨で、とっつきにくい印象だった。

 

 

 

アスファルトを剥がしていた重機を止めて、ダンプカーをバックで寄せる。

僕は白旗を振って誘導する。

 

もう少し、もう少し、もう少し…

 

僕の赤旗と同時に止まるダンプカー。

早すぎたか?もうちょっと近づけた方がよかったか?僕は不安げにのぞき込む。

 

運転手が降りてくる。重機との間隔を見る。そして、

僕の方をチラッとみて、軽くうなずき重機に乗り込んだ。

たったそれだけ。

 

僕の誘導というより運転手の判断で停車したとも思っている。

だけど、何かちょっとだけ、役に立った気がした。

 

本当にささいなことですが。