「あ、歩行者の方はこちらから。お気をつけてどうぞ」

 

(『通行止め』ってあれだな、やっぱ興奮するな…)

 

 

(…ん?何だ、変なステップふんでるヤツがくるぞ…)

(ひあうぃご...)

「表通り工事中、思った通り荒井注」

「ナナナナ~、ナナナナ~、なんだばかやろう」

「ドリフかよっ!なんだ、こいつ…」

 

「ナナナナ~、ナナナナ~、ナナナナ~......

(行っちゃうのかよ!)

 

 

🎼♪~♬~♩~♪~

(…ん?音楽?)

「ヒロシです...ヒロシです...」

「カラーコーンとバーの距離が、いっつも合いません!ヒロシです...」

「素人かよ!なんだよ、この辺の住人は!」 

 

 

 

「鬼退治中、ちょっといいかな?」

「交通誘導中だよ!これ(誘導灯)が刀に見えるか?チカチカ光って確かに日輪刀みたいだけど、

雷の呼吸っ、壱ノ型っ、霹靂一閃ってな、あはははは…」

「ちょっと何言ってるかわからない」

「なんでわからないんだよっ!オマエが言ったんだろうがっ!」

 

「ここは、誰に断わって通行止めにしているんだ?」

(なんかめんどくせーやつだなぁ…)

「はい、道路交通法第77条の定めに従い警察署長の許可を得たうえで通行止めにしております」

「やはりな…」

「は?」

「国民の自由が制限されるその裏には、必ず国家権力が関与しているものだ」

「いや、そういうわけでは…」

「国民と国家権力の間には、いつの時代もこんなアリゲーターが存在するんだ!」

「いやバリケードだろっ!ワニかよっ!そっちの方が怖いわ」

「そしていつも国民は、権力によって人生の通行止めに追い込まれてしまう…、違うか?」

「違います」

 

 

「…いいだろう。ところでひとつゲームをしないか?」

「しません」

「もしお前が勝てば、あの事件の真実…」

「だから、しないって!長くなるんだよ!このネタは!」

 

 

「最後の質問だ」

「なんだよっ」 

 

「で、僕はどこに立っていればいいでしょうか?」

「新入りかよっ!もういいぜっ!!」