高校生になり16歳の春休みからバイトを始めた


駅前のステーキ屋さん


重い鉄板を持つ手に油がぴちぴち跳ねて、なれるまでは大変だった…


従業員は学生が多く帰りに お茶したり カラオケに行ったりして楽しかった


半年を過ぎた頃
土日には満席状態だったのに 徐々に客足が減り夏休みでも暇な状態が続いた
近くに焼き肉食べ放題のチェーン店ができたのが原因

シフトも減らされ高校生はまだいいが、大学生やパートさん達は 仕事に入れないと直接生活にかかってくるので 1人また1人と辞めてゆく…

売り上げも落ち、店を任されている店長は オーナーからも従業員からも責められていた

そんな中 久しぶりにバイトに入った


勝手口から入り厨房を抜けて更衣室に入ると店長が頭を抱えるように下を向いて座っていた…


おはようございます…

と挨拶したが
黙って下を向いたままだ…

出て行く様子もないので

今から着替えますね~

と声をかけた…


……。

すごく落ち込んでいるようで微動だにしない…


仕方なく背を向けて着替えた


ロッカーを締め
行こうと振り返ると店長が立っていた…

大丈夫ですか?

顔色も悪く 目の下のクマが
丁度、志村けんがコントでよくやる病人の姿にそっくりで…


そのすがたが気の毒で気になって仕方なかった…

更衣室を出てすぐ中からバンッバンツって音がして、どうやら店長がロッカーに頭でもぶつけてるんだろうと思った…客もいないので午後9時には
CLOSE


ここのところずっーと早く閉める日が続いているようだ…


帰りにラーメンラーメンに誘われた

店長も誘ってもいいですか?

皆、(^^;)(;^^)?

まあ、店長いたら気まずいしさ… あの落ち込むダウン姿みたら
そっとしてた方がいいのかも…
とも思った…

ラーメンラーメン食べながら、そろそろ次のバイト探しておいた方がよさそうよ

って先輩が言った
えっ!

あの売り上げじゃ店が潰れるのも時間の問題だよ!
突然 明日から来ないでって言われんだからね!!


店長も体調不良理由にしてさあ休んで職さがし してんだよきっと!!


って吐きすてるように もう1人の先輩が言って…

でも店長 今日は来てたし、すっごい落ち込みようで気の毒に思ったってゆったら…

はあ?店長なら先々週からずっーと休んでるよ
って…

今日は来てた
来てない の押し問答…

じやあ店長に電話しよう
って事になって…
次回つづく…
誰かの指先が見えて…


びっくりして
立ち上がろうとしても 足が動かない…


時間は1分を切ったはずなのに
やけに長く


いつものように目を閉じて やり過ごそうと思ったのだが


彼女からは悪意が感じられ

直感的に このままじゃダメだ
と思った


今 思い返しても
説明に困るのだが
瞬間的に防御本能が働いたか、

瞬間的にアドレナリンが出てハイな状態になったか


エンピツ4本と文鎮 受験票

答案用紙と伝票

落ちないように
それぞれ手で押さえ 親指で机をはさみ

ググッと

斜めに押し上げた

押し上げた机が
前の子の椅子に
当たって止まった時…


置いて!!


とスピーカーが言った…


後は ざわざわ
ざわめきはじめて

自分は周りの人に体を揺さぶられるまで放心していた

机を押し上げて
すぐに
置いて!!
の合図まで どお考えても2秒ほど

では 自分が見た物は…

ここからは頭の中でシュミレーションしながら読んで頂ければより解ってもらえるかな…
机を斜めに押し上げ

体を後ろに 反らせて

両膝に手を置いた女子高生が頭を垂れて しゃがみ込んでいた…


髪は 真ん中から 右肩と左肩に分けて 前にたらしている…

まさかの光景に
声もでず…

すると ゆっくり顔を上げてきた…
どんな恐ろしい形相なのかと覚悟していたが…

彼女は とても悲しい目をして…

どう説明しようか寂しい つらい?

とにかく 可哀想という気持ちにさせるような目


思わず、 気持ち的にですが
手を差しのべようとした時…その目が


ニヤリッ


と笑ったのです…

今 思い出してもゾッとする
背筋が凍る
ような 悪意に満ちた目…

置いて!!スピーカーからの合図で
スゥッーと消えて
体を揺さぶられるまで、

そのままの状態で動けなかった…

その日の夜から
いつもの高熱が出るのですが…

この出来事を きっかけに
両親の強い勧めで2年間 カウンセリングを受ける事になるのです…
小学校4年から中1まで そろばん塾に通った…


通いだしてから
順調に 級があがり

中1では一級の検定を受けた…


三級からは 試験会場へ行って受験する事になっている…


受験会場は市内にある 私立の女子校…

会場までは 自転車と電車とバス電車を乗り継ぎ行った…

日曜日に行われたので 高校は休み…

自分が受験する会場は北校舎の三階1-6 の教室


教室に入ると、黒板に、窓際の列から受験番号順に座るよう 分かりやすく示されていた…

自分の席は 窓際から三列目の後ろから二番目


鉛筆を四本出してそろばんと文鎮を置く…消しゴムは使用禁止禁止受験票は机の右上に


受験票には顔写真が貼ってあり
試験管が本人に違いないか確認してまわる…


緊張のせいか 少し前から頭痛がしている…

嫌な頭痛だ……


それぞれの教室で注意事項が述べられ 全教室一斉に スピーカーの はじめ!!の合図で
スタートする…


順調に進み 最後の伝票計算を残すのみとなった…

始まるまで十分ほどの休憩…
いつの間にか頭痛も治まっていた…

全員席に戻り 伝票が配られた…

伝票は得意だ!
めくるのに 戸惑わなければ よしイケる!!


皆が席について
待っていると……1人の女子高生らしき人が入ってきた!!


ん?
制服を着ているので この女子校の生徒だろう…

窓際の前から三番目の席の横に窓側を向いて立った……

ああ忘れ物を取りにきたんだ…
自分の机の中にも体操服がいれたままだ…

試験管が教壇に立ち
さあ 最後ですからリラックスして
深呼吸しましょう
誰かが はぁーって声に出して深呼吸した

クスクスって周りが笑って
リラックスムードになった…


忘れ物を取りにきたであろう女子高生はまだ… いる…
試験管は何も言わない もう始まる… 周りの誰も!?何も言わない…

まさかまさかまさかまさか…

はじめ!とスピーカーから…

その声にビクッとなって…

ダメだダメだ
集中 集中

左手で 伝票をめくり 右手人差し指と親指で そろばんへのせてゆく
答えを書き込み
チラッ 窓際の席を見る…いない

急げ 急げ
集中 集中

答えを書き込み
チラッと窓際の席を見る…

いた!

さっきまでいた席の すぐ後ろの席に窓を向いて立っている…

教室の空気が…
何か淀んだような…どう説明すればいいのか…ただその場所に立ちつくすだけの人やスゥッと通りすぎる人とは別で、明らかに悪意が感じられるような…
またチラッと見た瞬間
氷ついた!!

今度は自分のすぐ左前の席!!
前に立って覗き込むように頭を垂れている…

氷ついたと同時にひぃッて 声が出てしまった!!

教壇に座っていた試験管が立ち上がり自分の方をみた!!

しゃっくりが出たかのように
手を胸にあてて…小さくトントンして

へたな演出してる場合じゃない!

あれは まぼろし あれは まぼろし
と 唱えながら一心に そろばんを はじく…

できた!!

あとは見直し計算
時計腕時計見ると残り1分を切っていた

いそげ いそげ

その時 一気に下半身が重くなった
あれ?何?…感覚は ある!

そう思った時……足首から…
順に…
右足 左足 と交互に パタッ パタッって 何かが上がってくる…

何?何なんだろう

膝まで 感覚が上がってきた時

思い切って
上半身を後ろに反らせて下をみた!!
自分の太もものところに
誰かの指先が見えて…

次回つづく…