車のドアを開けて左足を出した瞬間

ガチャンと音がして…


自分が開けたドアに 自転車の高校生がぶつかったあせる

運転席の友達が

あんた 何してくれるんじゃむかっ と怒鳴り


自分はまだ頭がへなへなしてて


可哀想に高校生は自分が怒鳴られたと思い

すみませんすみませんと何回も言っていた…

踏み切りを渡ってから 車を止めて 高校生に怪我がないか確認して…



遮断機が下りていて 自転車も徐行していたので
幸い怪我もなかった…


高校生に謝り、念のため連絡先を渡して帰ってもらい…


友達の方は…


ドアにキズいっとるがー 新車やのにー どないしてくれるんじゃむかっとがーがー 怒っていた



キズといってもたいした事はなく


よーく見ないとわからない…


残りの二人も加わって大丈夫大丈夫とゆってくれて…

新車といっても…車には詳しくないので よくわからないけれど…
ロッテリアのマークにそっくりなマーク!?がついてた

それから…


さっき何でドア開けて出ようとした?て事になって…

急に気分が悪くなって…車内で吐いたら悪いじゃろ と言ってごまかした…


見たままゆったらたぶん頭おかしいとかって事になるだろうし…


そのままやり過ごし…


しかし あの踏み切りとは 本当に相性が悪い…


あの列車にびっしり乗っていた人達と乗ろうとしていた人達は何だったんだろう…


わかるはずもなく…

ただ認めたくはないが…
あの踏み切りは
自分にとっては
命も落としかねない危険な場所であるという事がわかった

また、何らかの力で護られているであろう事も確信はないが わかった…
自分でもよくわからないのだが…


どうも相性の悪い場所がある…


そんな場所があるという事に気づいたのは、高校生の時…


自分の通っていた高校は


自宅から自転車で最寄り駅迄行き
電車を降りてからバス電車に乗り換え終点まで行きバス停から歩いて2、3分の所にあった…


帰りもバス停からバスに乗るのだが帰る時間によっては30分~40分ぐらい待たなければならない…


そんな時は
10分ぐらい歩けば大通りのバス停があるので そこからバス電車に乗って帰っていた…


大通りに出る前にJRの踏み切りを渡るのだが…


どうも この踏み切りが自分とは相性が悪い…


初めて気がついたのは1年の時…


バスを待っていると、自転車通学の同じクラスの子が大通りのバス停の事を教えてくれて…


一緒にバスを待ってた友達と大通りまで歩いた…


踏み切りの向こうに大通りが見えて

踏み切りの手前で遮断機がおりるのが見えた…


友達と 喋りながら電車が通るのを待っていた時…


カンカンカンカン


次の瞬間 自分たちの横から おばあさんが、すうっと通って遮断機をくぐり線路のど真ん中に ちょこんて正座した…


思わず
危ない!! って思い反射的に体が動いて遮断機を持ってくぐって入ろうとした時…


横にいた友達にグイって腕を捕まれた…


その時 電車が通り過ぎて…


あんた何しとるんむかっって友達が


えっ!えっ?


あんた うちが止めんかったら電車に飛び込んどるじゃろがむかっ



その時初めて
やられたって思った!!


友達はかなり怒ってて…


それから、その踏み切りを通る時は細心の注意を払った…


ある時は 踏み切りを渡ってる時
足首を引っ張られるような感覚があったり


ある時は 自転車がぶつかってきたり…


とにかく相性が悪い…


高校を卒業して その踏み切りを通る事もなくなったんだけど


大学の夏休み

お盆はバイトで忙しいから お盆前に実家に帰った…
GWも帰らなかったので久しぶりの帰宅…


高校時代の友達に連絡したら車を買ったからドライブしようって誘われて…


駅前で待ち合わせて同級生4人でドライブした…


1人が

学校行こうかって言い出し


日曜やけぇ 先生も休みじゃろ


と言いつつも
学校へ行くと
正門も開いていて部活指導で先生達も来ていた…


楽しかった


学校を出て 来た道を帰らず 大通りの方へ…


自分は助手席に乗っていたのだが


先ほどの先生達の話題で夢中になっていて


自分は すっかりあの相性の悪い踏み切りの事を…
忘れていた…


気づいたのは
カンカンカンカンと
遮断機がおりた時

その時は 後頭部と首の間ぐらいから ふにゃふにゃしてきて目の前のものが ぐにゃぐにゃ歪んで見え出した…


あらら!?何だろ


そう思った時…


目の前を電車が通り過ぎて…


あれは電車というより…列車だ…


まるでスクリーンの中の一コマを見ているかのように

ゆっくりゆっくりスローモーションで流れてゆく列車の中には びっしりと人が乗っていて

周りには列車に乗ろうとして歩く人や 列車にしがみつく人たちがいて…


『自分も早く行かないと…あの列車に乗らなきゃ』


そんな思いにかられて 車のドアを開けてしまった…


次回つづく…
命日に墓参りにでも行っているのか…


何かの集まりで会議に出席でもしているのか…


気になって仕方がない

いっそのこと、本人に聞こうか…


結局、何もわからないまま奇妙な同居人と暮らしていた…


ある月の事…
帰宅すると昨日から姿を消していた男性が帰ってきていた…


壁に向いて背中を丸めて…


酔った勢いもあって、
あなたさあ~たまーにいなくなるよねぇ…
どこいってるの?

で帰ってきてもさあ
いっつも背を向けてさあ~
なんで?


応えてくれるわけもなく…


それから
何時間か眠ってしまったようで…


気がつくと真夜中
水を飲もうとして起き上がろうとするが
体が重い…

寝返りをうつ…
寝返りの先に いつもの男性がいない…


あれっ!? 今日帰ってきたばかりなのに?
どこへ行ったんだ?


『奇妙な同居人の心配をするなんて おかしな話だ…』


と思いつつ
重い体を起こし
座った先のテレビの
ブラウン管に写った
自分の姿を見た途端


うわあぁぁー!!


と悲鳴を上げ
そのまま外に飛び出し…

アパートの先に大通りがあり、大通りの交差点を渡った右のかどの交番まで一気に走り、飛び込んだ…


交番のお巡りさんに
不審な目で見られたのは云うまでもない…


とにかく 不審者が浸入?したという事で
2人の警官を伴って
アパートに帰った…


部屋に入ると…

いつものように壁に向いて背中を丸めて座っている…


結局、酔っぱらって 寝ぼけてしまったという事で 何度も頭を下げ謝罪して帰ってもらった…


『存在に気づいても
こちらから話かけてはいけない…』



重い体を起こし座った先のテレビのブラウン管に写ったものは


自分の両肩から腕を伸ばし
覆いかぶさるように
自分の顔の横から
顔を突き出した男性が写っていた…


初めて見るその顔は
目がくぼみ 頬がやせこけた恐ろしい顔だったそうだ…


それからも しばらくは奇妙な同居生活を続けたらしいが


このアパートを出る
きっかけとなったのが…

奇妙な同居人が
もう1人増えたからだそうだ…


この話はまた改めて…