焚き火の横で輪になって座り


1年から順番に挙手して披露してゆく…


自分の番になり…

パスした…


怪談話など その気になれば聞かせてあげられるが
こんな所で披露する気などない…


だいたいが作り話だが…中には本物に近い物もあり
本物の場合やそれに近い物の場合は出演者たちが ふぅっと現れたりする…


嫌な雰囲気だ…


だんだんと耳鳴りと頭痛がしてきて肩も重苦しい…


ヤバいな と思って そろそろお開きにしませんかと声をかけた


が 皆まだ怖がり足りないようで…

はじめから、耳をふさいでいる人もいるのだが…


本当に嫌なのか
女子特有の怖い子ぶりっ子演出なのかわからない…


自分の体の不調は危険信号なんだけど…


それまで自分たちを遠巻きにしていた者の1人が近づいてきた…


足がないのか!?
匍匐前進で近づいてくるが… いち にい さんで、もう向かい側に座る後輩の横にまできた…


もう終わりにして戻りましょう


と言って立ち上がろうとした時


向かいの後輩の横にいる者が地面から、ばっと顔をあげて…


まるで歌舞伎役者の見栄切りのような形相で睨む


ずんって体が重くなり 立ち上がれなくなった…


そう?じゃ火の始末をして 後はテントで盛り上がろ~ぜ イェ~イ拍手と共に皆、立ち上がった…


ヤバい 立ち上がれない…


怖くて腰が抜けたって事になって…

両脇を抱えられて何とか立つには立てたが…


這いずり見栄切り男の呪縛なのか
足が動かない…


もう1人 立ち上がれず座ったまんまの人がいた…


向かいに座る後輩のK君だ


こいつ酔っ払いやがった~と皆が騒ぐ…


K君はぐったりうなだれて…


ちがう…ただ酔ってんじゃない
這いずり見栄切り男がK君をつかんでるのがはっきり見える…


先輩泣いてるんですか?


悲しくもないのに涙が溢れ出して…


次回つづく…
大学のサークル仲間で毎年キャンプ場へ行く事になっていた…



自分はバイトが忙しいと二年間断わり続けていたが
三年目の時



4回生の先輩達が最後のキャンプという事で
この年は自分たち3回生が計画と準備をするので
どうしても断わるわけにはいかなかった…



キャンプ場は
とある村の中にあり、キャンプ用品は村の管理人が用意してくれるので持って行くものといえば食材のみ…


車に食材を積み、


残りの者は電車とバスで現地入り…


バスの中から見ていたが、信号もコンビニさえもない所…のどかすぎるだろう



キャンプ場に着くと、テントなどキャンプ用品を積んだ軽トラが止めてあり中から二人の村人?が降りてきた…



挨拶を済ませ
注意事項を聞いて積まれた荷物をおろして運び、テントをはる…



テントをはる場所は、できるだけ平らな場所を探してはる…



あーテンション下がる…



自分とは反対に
後輩の女子達は、嬉しそうにはしゃぐ…


どうやら気になる男子がいるようできゃっきゃっ
きゃっきゃっ


男子は全員テンション高い…



夕食はカレー…


レトルトにすればいいのに一から作っている



明るいうちにキャンプファイヤーの準備を手伝い
自分は消火器を運んだ…


消防法とかで定められてるとか…



夕食を済ませ
キャンプファイヤーへ


松明に火をつけて組んだ木に火を放つ…


誰かがギターを持ってきて皆で唄う


マジかよ~ガーン


流行りの歌謡曲は弾けないらしく

バラが咲いた
真夜中のギターなど…


はやく終われと思っていたが…


それでは恒例の怪談話にうつります


おいおい!!
辺りは真っ暗で…シチュエーションはぴったりだが


こんな所で怖い話をするなんて
バカだ…


1年から順番に怪談話をしてゆく…

必ずおちの所で声を張り上げ


そのたびに女子はキャーニコニコっと奇声をあげる…


中には本当に怖い話があって…


そんな話をするから…
ただ通り過ぎるだけの者や
騒がしさにフラフラ寄ってくる者

中には お持ち帰りされてやろうとほくそ笑みを浮かべ這いずりやってくる者など…


キャンプファイヤーは異様な空気が漂い出した…



次回つづく…
土曜日の昼下がり

友達と待ち合わせケーキの美味しい店でお茶をすることにした…


おしゃれな門をくぐり 石畳の庭の小道を少し歩くとイタリア風な造りの お店があり
ドアを開けて入るとコーヒーのよい薫りが広がっていて…


こちらへどうぞ


一段上がった大きなガラス張りのテラスのようになった明るい席に案内された


ここねシフォンケーキが 美味しいわよ


って友達が教えてくれた…



すぐに店員が水とおしぼりを持ってきた…



水は 透き通った ブルーのビンに入ってて


店員さんがコップにそれぞれ注いでくれる



ん? コップが…
三個?

何で?

『なんで3個?』


友達の方が先に


あの 二人なんですけど…





あっ!
失礼しました…


テーブルの上のコップを ささっと片手にもち あたりを ぐるっと見て…


お決まりでしたらどうぞ…


二人ともコーヒーとシフォンケーキを頼んで…



友達はちょっと得意げに…


さっきさあ~
コップ3つおいてたよねぇ
あれってさあ~
あたし達についてもう1人いたんだよね~しょぼん
店員さんには3人連れで入ってきたように見たんだよねぇ~

あたしさあ~
よく こーゆうの遭遇すんだよね~てゆうか
ちょっと霊感体質なんだよね~



『そうそう、よくあるパターンだよね…

でもね~何で3個だったんだろう


3人連れじゃなくて

もう1人いたんだけどね…』