私のセッションには、教師との記憶がトラウマになって成長や実力発揮の妨げになっている生徒さんが、本当に本当に多くいらっしゃいます。
先日も、生徒さんが『こんにちは』と入って来た瞬間、『あれ?もしかしてまた誰かに何か言われた?』とピンと来て、聞くとやはり教師からがっくり来る事を言われて自信を失っていました。
教師もそんなに深く考えずに発した言葉かもしれませんが、その余計な一言が彼らにものすごく大きな影響を与えてしまうこともあるんです。
私は、ほぼ毎日そんなトラウマを取り去るお手伝いをしているので、このテーマが多くてごめんなさい。
お話を聞いていると、そういう教師は、心身ともに健康な芸術家を育てるという事よりも、レッスンを自分の知識を見せるパフォーマンスの場にして、『自分が満たされることファースト』になってしまっている様に感じます。
(勿論私もバレエを教えていますから、レッスンが心を満たしてくれるのはわかりますが、まずは『生徒さんファースト』だという事を忘れてはいけないと思っています。)
バレエでも音楽でも、レッスンでは良くない部分を直していくのが普通ですし、たまにはヒートアップして厳しくなることもあると思いますが、だからこそ信頼関係が大切で、その伝え方に愛情がなかったり、冷淡だったりすれば、生徒の心はただ深く傷つき、将来的にその傷のせいで実力を発揮することが難しくなってしまいます。
なので、教師という仕事を選んだのなら、生徒の弱点を指摘するだけではなく、彼らが自信を持って前を向いていける様に、気をつけてあげて欲しいと思います。
本番で自分の欠点ばかり考えていたら気持ちが萎えてしまうし、自信を持って自分を見せるために、自分がアピール出来る長所を知り、自分が何のためにそこにいるかをしっかりと把握していなければならないのは、本番を経験した教師ならわかるはずです。
注意した分、ポジティブなことを伝えていますか?
自分が発した言葉で生徒が傷ついていないか気にかけていますか?
すぐ出来る生徒ばかり贔屓していませんか?
生徒が何か出来る様になったら、それを自分のお手柄だと思って自分だけ満足していませんか?
生徒が何か出来る様になったら、それは勿論教師の指導のおかげでもありますが、生徒自身が頑張って練習した成果でもあるのですから、それを認め、しっかり褒めて心に栄養を与えてあげるまでが教師のお仕事だと思っています。
そして、レッスンでダメ出し(良くしようとしたら仕方のないことですが)が多い分、生徒の強みを見つけ、それを伝え、彼らの自己肯定感を高め、沢山の愛情を注いであげて欲しいと心の底から思っています。
何度も書きますが、ネガティブを忘れさせるためには、12個のポジティブが必要です!(Ruby Newell-Legner)
共感してくださる教師が増えていくことを心から願っています。