川崎病について | mikenecoのブログ

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横須賀市 馬堀小児科医院 院長のブログです。

子どもの育ち・病気・ケガ・ワクチンなどについて正しい医学的根拠に基づいたわかりやすい情報をお伝えできるよう心がけています。

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こんにちはヒヨコ

 

 

川崎富作先生がご逝去されました。

心よりご冥福をお祈り申し上げます。

 

 

川崎先生は、1967年に世界で初めて川崎病の疾患概念を発見し報告しました(リンク1)。

 

 

1974年に英文で医学雑誌に掲載され、この論文は現在もオンラインで読むことができます(文献2)。

 

 

川崎病は主に4歳未満の小児に生じる原因不明の発熱性疾患で、全身の小~中動脈の血管炎を伴う病気です。

 

 

川崎病で最も問題となるのが心臓を栄養する冠動脈に動脈瘤(こぶ)ができたり、心臓の筋肉に炎症を起こす心筋炎や、ショック症状(血圧低下)などの心臓の合併症が生じることです。

 

 

川崎病の診断の手引きは2019年5月から改訂第6版として17年ぶりに改訂が行われました(リンク3)。

 

川崎病の主要な症状としては以下の項目があります。

1. 発熱

2. 両側眼球結膜の充血

4. 発疹(BCG接種痕の発赤を含む)

5. 四肢末端の変化

 急性期:手足の硬性浮腫、手掌足底または四肢先端の紅斑

 回復期:指先からの膜様落屑

6. 急性期における非化膿性頸部リンパ節腫脹

 

主要6症状のうち5項目を満たせば川崎病と確定診断できますが、4症状以下あるいはそれ以下でも、冠動脈の病変がすでに始まっていたり、その可能性が強い場合には川崎病不全型として早め(遅くとも7日目まで)に治療を開始すること、となっています(文献4)。

 

 

典型的な川崎病の症状を示す症例では診断がつきやすいですが、主要項目のうち4つ以下の症状しか認めない不全型の川崎病も全体の2割ほどと決して少なくないことがわかっています。

 

 

川崎病の原因はこれまで特定されていませんが、ウイルスや細菌の感染症に対する異常な免疫反応と、遺伝的な性質が関与していることが推測されています。

 

 

新型ではなく従来からあるほかのコロナウイルスも川崎病の原因となり得ることが指摘されていました。

 

今般の新型コロナウイルス感染症 COVID19においても、主に欧米で川崎病類似疾患の多発が報告されています。

 

 

多くのCOVID-19感染者が発生したイタリアからの報告では、COVID-19の流行の始まりと同時に、地域における1カ月あたりの川崎病様の疾患の報告数が過去5年間の30倍に達し、うち多くがSARS-CoV-2(PCR, 抗体のいずれかあるいは両方)が陽性でした(文献6)。

 

さらに、この文献では、ショック症状など重症例が多く川崎病治療の第一選択である免疫グロブリンによる治療の効果が出ずらく追加治療を要したとしています。

 

※ 「川崎病様」の疾患、とされているのは、それらの症例は川崎病の診断を満たす症状を示しながらも、年齢がやや高めで消化器や呼吸器の症状、髄膜刺激症状を示したことなど従来の川崎病にみられるのとは異なる面があったためです。

 

 

一方、世界で最も川崎病の患者の発生が多い日本をはじめとするアジア諸国においては、2020年2月~4月の期間の調査では新型コロナウイルス感染症に関連した川崎病発生の増加は報告されていないことを日本川崎病が5月7日に発表しています(リンク5)。

 

日本やアジア諸国において川崎病の増加があるかどうかについては、引き続き調査が進められています。

 

 

ニュースなどで、新型コロナウイルス感染症によって欧米で川崎病様疾患の発生が急増していると報じられ、心配されていた方もいらっしゃるかと思います。

 

 

現時点で、日本で子供が新型コロナウイルスに感染すると川崎病になりやすいということではないので、今後の新型コロナウイルス感染症の流行状況と川崎病の発生状況を落ち着いて見守っていきたいと思いますメガネ

 

 

 

 

リンクと参考文献:

1. 日本川崎病学会ホームページ

 

2. Kawasaki T. et al., A New infantile acute febrile mucocutaneous lymph node syndrome (MLNS) prevailing in Japan. Pediatrics. 1974; 54(3): 271-276.

 

3. 川崎病診断の手引き 改訂第6版

 

4. 鮎沢衛. 川崎病診断の手引き(改訂第6版) - 17年ぶりの改定でどこがどう変わったか- 小児科臨床 Vol.73 No. 2 2020 p. 253-257

 

5.. 日本川崎病学会 川崎病とCOVID-19に関する報道について

 

6. Verdoni L. et al., an outbreak of severe Kawasaki-like disease at the Italian epicentre of the SARS-CoV-2 epidemic: an observational cohort study. www.thelancet.com Published online May 13, 2020  https://doi.org/10.1016/S0140-6736(20)31103-X

 

7. Toubiana J. et al., Kawasaki-like multisystem inflammatory syndrome in cildren during the covid-19 pandemic in Paris, france: prospective observational study. BMJ 2020; 369: m2094.