発熱と熱中症 | mikenecoのブログ

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横須賀市 馬堀小児科医院 院長のブログです。

子どもの育ち・病気・ケガ・ワクチンなどについて正しい医学的根拠に基づいたわかりやすい情報をお伝えできるよう心がけています。

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こんにちはソフトクリーム

 

 

日本は連日猛暑日となっています晴れ

 

 

今回は、2019年8月に書いた記事を元にアップデートした内容になります。

 

 
暑い時期、熱が出たお子さんを連れて「熱中症でしょうか?」と受診される方が増えてきます。
熱中症か、それ以外の原因による発熱かを見分けるのは大切なことです。
 
 
日本救急医学会の熱中症診療ガイドライン2015によると、熱中症とは暑い環境に体が適応できないことによって起こる様々な症状を指し、他の病気ではないことが確認できたもの、とされます(リンク1)。
 
 
熱中症は従来、熱失神、 熱けいれん、 熱疲労、熱射病などと区別して表現されていました。
 
 
「熱射病」は熱中症の最も重症な状態を指しますが、その三つの主症状「意識障害、体温 40℃以上、発汗停止」にこだわりすぎると、病状を過小評価してしまうリスクがあるため、用語が「熱中症」に統一され広く一般に理解しやすくなりましたひらめき電球
 
 
 
熱中症の重症度は3段階あり、「暑熱環境に居る、あるいは居た後」の症状として、以下のように分類されます:
 
I度 めまい、失神(立ちくらみ)、生あくび、大量の発汗、こむら返り、強い口渇感、筋肉痛、筋肉の硬直(こむら返り)
II度 頭痛、嘔吐、倦怠感、虚脱感、集中力・判断力の低下
III度 意識障害、けいれん、せ ん妄、小脳失調、高体温等

(ここに示された症状は、各段階においてよく 見られる症状ですが、症状は時間とともに移り変わるため、それぞれの重症度に おいて必ずその症状が起こる、あるいは起こらな ければ別の重症度に分類されるというきつい縛りはありません)
 
 
I度の場合はまず現場で対応します。涼しいところで安静にし、体表を冷やし、口から水分を摂らせます。
 
II度の症状がある場合は医療機関への受診が必要です。
 
III度の症状があれば、救急車での受診が必要です。
 
 
 
熱中症は、周囲の環境温度が高いために、体が熱を逃がして適応しようとしてもうまくいかない場合に起こります。
 
一方、他の病気で発熱している場合は、体が自分で体温のセットポイントを上げている状態のため、39度~40度など高熱が出ていても体が適応できず熱中症になるということはありません。
 
 
熱中症と鑑別(見分けること)が必要な疾患として、感染症、悪性症候群による中枢性高体温、甲状腺ク リーゼ等が挙げられています。
 
 
涼しい室内でずっと過ごしていたのに発熱したという場合は、熱中症よりも病気による発熱の方を疑います。
 
 
逆に、暑い環境にいて体調が悪くなった場合は、体温が上昇していなくても熱中症を疑う必要があります。
 
 
子供は自分の症状を言葉でうまく表現できないため、具合が悪くなっていないかを大人が気を付けてあげる必要があります。
 
 
 
熱中症は、進行すると命にかかわります。予防を第一に心がけましょう。
 
 
熱中症予防のため、気温が高い時間帯は外出を避け、外出する場合はこまめに水分を摂り涼しい場所での休息を定期的に実施しましょう。
 
 
室内でもエアコンを使用し、水分をしっかり摂ることを心がけましょう。
 
 
 
リンクと参考文献:
 
2. 『ボロン ブールペープ 生理学』 西村書店