こんな詩を書いてみました。

 

『愛されたいと望んだだけなのに』

 

微かな衝撃だった

鋭い視線を投げられ

咎めるような口ぶりで

過ぎ去った過去 炙り出す

プライド傷つけられて

苦痛と屈辱感だけ

呆れたように肩すくめ

少し青ざめ 立ち尽くす

愛されたいと望んだだけなのに

心のドアが乱暴に閉まるよ

広まる噂 抜け道がなくなり

息詰まるよう 沈黙が怖いよ

 

 

眠ると怖い夢見る

裸の心がひきつる

憂鬱に取り憑かれている

失うものは何も無い

ぼんやり空を眺めて

自分と向き合ってみるよ

それでも生きるしかないさ

絶望なんてクソくらえ

愛されたいと望んだだけなのに

喉が渇いて声もかすれていた

分厚い胸に抱かれてみたかった

叶わぬ恋と わかっていたはずさ

 

 

愛されたいと望んだだけなのに

突然の雨 身体はびしょ濡れさ

運命なんて言葉は好きじゃない

それでも笑顔 忘れずに歩くよ

 

 

 

『カミングアウト』という言葉、最近よく耳にしませんか?

 

カミングアウトとは、「これまで誰にも言ってこなかった自分の秘密を話すこと」です。そして、LGBTに関係する言葉として「カミングアウト」が頻出するのは、「自分がセクシュアルマイノリティであることを打ち明けること」という意味で「カミングアウト」がよく用いられるからです。

 

※『セクシュアルマイノリティ』とは

「性的少数者」ともいいます。 「異性を好きになるのが普通だ」とか、「心と体の性別が異なることはない、性のあり方は男と女だけである」という考え方の人が多い社会からみて少数者という意味です。

 

この頃は、この言葉も少しづつ浸透して来ているようには思いますが、ここで重要なのは、自分が自身で公表することが『カミングアウト』であるということです。

 

同意なしに他人のセクシュアリティを勝手に言いふらすようなことは、『アウティング』と呼ばれます。

 

※『アウティング』とは

「あの人って同性パートナーがいるらしいよ」、「あの人、いい歳して独身だと思ったら、ゲイなんだって」など、ある人のセクシュアリティを本人の許可なく第三者に言いふらしたり、SNSに書き込むことです。

 

カミングアウトは当事者が自分で相手にセクシュアリティを打ち明けるものであることに対し、アウティングは自分でなく他の人が勝手に行うという点が異なります。

 

2015年、自身のセクシュアリティがアウティングされてしまったことで、男子学生が自ら命を絶ってしまうという痛ましい事件がありました。アウティングは、ときに人の命を奪いかねないということを知ってほしいんです。

 

何故、こんなことを呟いているかと言いますと、知り合いの中には、周りの人や、好意を抱いた人に告白(カミングアウト)をした人が何人かいます。

 

自然に受け入れてもらえたという人もいれば、それまでは仲良く付き合ってくれていたのに、それを聞いた途端、掌を返すように連絡を絶たれたという人もいます。

 

僕は自分のことを同性愛者だと、周りの人達に話してはいません。特に仕事関係者には話すことはないと思いますが、僕の心の底には、何故、同性を好きになってはいけないのか、そのことで何故、冷たい仕打ちを受けなければいけないのかという思いがいつもあります。

 

『愛されたいと望んだだけなのに』という詩は、若い頃、好きだった友人に「好きだ」と告白したときのことを書いてみました。思いが募って衝動的になってしまったんですね。若さって怖いです(笑)。

 

受け入れられることはありませんでしたが、後悔はしていません。僕は同性しか愛せないんだ、仕方ないじゃないかと生きてゆくしかないのですから。