『言葉にできない愛』
二度と会えない 別れでも
さよならなんて 言えなくて
涙を流すことさえ 許されないよ
誰にも言えぬ この想い
あなたを見つめ 立ち尽くし
思い出だけが行き過ぎ 胸が震える
愛している 言葉にできず
一人悲しみに耐えて
吹き荒ぶ風の中 魂は彷徨い
苦しみを 持て余し
運命を憎んだ
あなたの視線 肩越しに
遠くを見つめ 流れてく
私の身体貫く 痛い傷痕
焼き餅なんか 愚かだと
わかっているよ 心では
仮面をつけて生きてる ことに疲れた
愛している 言葉にできず
一人悲しみに耐えて
海の底沈んでく 貝のよう私は
悔しさに 目を閉じて
砕け散るプライド
振り向きもせず 去ってゆく
あなたの背中 愛しくて
追いかけてゆく私の 幻を見た
あなたの声の 柔らかさ
憎まれ口を 思い出し
少年のような微笑み 忘れはしない
愛している 言葉にできず
一人悲しみに耐えて
音もなく舞い落ちる 花びらに包まれ
旅立った あなたへの
これからを 祈るよ
愛してはいけないと わかってたそれでも
この想い 大切に
生きてゆく いつでも
3月、4月は別れのシーズンですね。卒業とか人事異動があり、長年慣れ親しんだ場所や人との別れを経験する方は多いでしょう。
少し前に、このblogで、僕の職場がある建物が再開発のため取り壊される事になり、4月から移動になるということを書きました。
築43年のビルらしく、二度ほど電気系統のトラブルでボヤ騒ぎがあり、消防車が出動する事態になったことがあるので、本社の方で土地ごと手放す事にしたようです。
跡地には高層マンションが建つらしいです。
僕はこの場所に通うようになって約8年くらい。父の介護の為、デザインの仕事を辞め、飛び込んだ全く知らない業種でしたけれど、本社の方でも少しは名前が知られる存在になってきました。
この場所でもいろんなことを経験し、たくさんの人と出会い、大変なことも多かったですけど、自分のやれること、やらなければならないことは、キッチリやってきたつもりです。
この場所である出会いがありました。この『言葉にできない愛』という詩に書いた「あなた(Aくん)」です。Aくんは4年くらい前に別の事業所の閉鎖に伴い移動してきて、管理課の所属でした。初めて彼を見たときに僕は胸を撃ち抜かれてしまったんです(笑)。一目惚れです。
身長が180㎝くらい、僕と同じ眼鏡男子で、肌が白く、細身で瞳が本当に綺麗なんです。ダイエットをしてるから痩せているというのではなく、生まれついての体質という感じ。華奢に見えるんですど、声は太くて大きくて男らしいんです。ギャップ萌えです(笑)。
僕はAくんの先輩、Mさんとよく仕事をしていたので、管理課へはチョコチョコ顔を出し、チラチラと彼を見ては「いいなぁ」と思っていました。
彼はどこへ移動するのかなかなか決まらず、先週発表があり、彼に確認したら「札幌」だと言うんです。「どうして」っていう驚きと、「もう会えないんだね」という淋しさで胸が一杯になってしまいました。
ただの「おっさんずラブ」だったんですけど、僕は男だから、彼に好きだなんて告白なんかできないし、もし言ったとしても「そんな趣味はないので」って言われるのがオチですからね。
だいたい世間では、いい歳をして独身の男は影では「あの人ホモじゃない?」って言われているだろうし、僕も一度同僚から、「詩音さんは乙女ですね」なんて言われて憮然としたことがあるので、Aくんも僕に対して何か感じていたかも知れないなぁと思います。
好きな人が出来ても、相手に簡単に好きだと告白できない僕のような同性愛者の人はたくさんいると思うんです。遠くから見つめるだけしかできなくて、彼のこれからを応援するしかなくて。
そんな想いを詩にしてみました。