※BL・腐の意味がわからない方、これらの言葉に嫌悪感を抱く方は閲覧をご遠慮ください。
また太妹が嫌いな方もです。
リーマン×お弁当屋さんの続き。
*************************
町が暖かな陽光に包まれたこの日も例の客はやってきた。
長身痩躯の身体がのっそりと入ってくる。
「はい。」
「え?」
妹子は注文を受け取る前に袋を差し出した。
中身は勿論弁当である。
ただし、他の使い捨ての弁当箱とは違い、家庭で使う、何度も洗って使用できる素材と形状のものだ。
妹子はここ数週間、彼を観察していた。
というか彼が毎日来るので必然的に彼を見なければいけなかったのだが。
あれから彼はやはり毎日弁当を買いに来ていた。
しかし日が経つにつれ、昼食と夕飯用以外にも、もう一つ、翌日の朝食用だと思えるものまで買い始め、挙句の果てには週末の一日分まで買いだめするようになっていったのだ。
利益になるとは言え、流石の妹子も呆れ、ため息がでた。
そしておせっかいとも苦労性ともいえる、人の好さが出てしまい、彼の栄養面を気にした妹子は、自分で彼専用の弁当を作ることにしたのだ。
「アンタどうせ毎日ここにくるでしょう。」
「あ、バレてた?」
「バレるも何も毎日顔合わせてるじゃないですか。
アンタ、いくらうちの弁当が良いからって、流石に栄養偏りますよ。
だからほら。僕がアンタ専用の弁当を作りました。」
「君が・・・?」
「はい。栄養面が気になったので、そこらへんのバランスを考えて作りました。
嫌っていってもこれ以外の弁当は出しませんよ。」
「拒否権はないんだ・・・。」
妹子の勢いに圧倒されつつも、彼は差し出された袋を受け取った。
「あ、それ、見ればわかりますけど、普通の弁当箱なので夕方返しにきてください。」
「え、でも私・・・。」
「知ってます。いつも夕方は来ませんよね。
でも今、夕飯の分と朝食の分を持っていったら荷物になるでしょう?
店が閉まってからでもいいので、来てください。」
「そんなに優遇されてていいの・・・?」
「アンタだけは特別です。かなりのお得意様ですから。」
妹子の口調は強いものだったが、実は内心、相手の反応がどんなものなのか心配で胸の鼓動を速まらせていた。
ごくり、と唾を飲み込む。
「ありがとう。」
今まで呆然と話を聞いていただけの彼は、袋の中身を確認すると、顔をくしゃっと歪めた。
思っていた以上の好感触に妹子はほっと胸を撫で下ろす。
「・・・太子。」
「え?」
「私の名前は太子だから。そう呼んで。君の名前は?」
「・・・妹子です。」
「妹子・・・。そっか、いい名前だな!
じゃあ、妹子!また今夜、な!」
太子は白い歯を見せ、満面の笑みで手をひらひらと軽く振った。
それにつられて妹子も頬を緩ませ、小さく手を振り返す。
この日妹子は何故か一日中気分が良く、夕方が待ち遠しく感じられた。
***************************
*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆あとがき*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆
何か妙に短くなってしまった。
出会ったのは何週間か前だけど始まりはやっとここからって感じだね!
妙にスランプ気味?なので早く治したいね!!
ではでは、いつもありがとうございます(*^ー^)ノ
また太妹が嫌いな方もです。
リーマン×お弁当屋さんの続き。
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町が暖かな陽光に包まれたこの日も例の客はやってきた。
長身痩躯の身体がのっそりと入ってくる。
「はい。」
「え?」
妹子は注文を受け取る前に袋を差し出した。
中身は勿論弁当である。
ただし、他の使い捨ての弁当箱とは違い、家庭で使う、何度も洗って使用できる素材と形状のものだ。
妹子はここ数週間、彼を観察していた。
というか彼が毎日来るので必然的に彼を見なければいけなかったのだが。
あれから彼はやはり毎日弁当を買いに来ていた。
しかし日が経つにつれ、昼食と夕飯用以外にも、もう一つ、翌日の朝食用だと思えるものまで買い始め、挙句の果てには週末の一日分まで買いだめするようになっていったのだ。
利益になるとは言え、流石の妹子も呆れ、ため息がでた。
そしておせっかいとも苦労性ともいえる、人の好さが出てしまい、彼の栄養面を気にした妹子は、自分で彼専用の弁当を作ることにしたのだ。
「アンタどうせ毎日ここにくるでしょう。」
「あ、バレてた?」
「バレるも何も毎日顔合わせてるじゃないですか。
アンタ、いくらうちの弁当が良いからって、流石に栄養偏りますよ。
だからほら。僕がアンタ専用の弁当を作りました。」
「君が・・・?」
「はい。栄養面が気になったので、そこらへんのバランスを考えて作りました。
嫌っていってもこれ以外の弁当は出しませんよ。」
「拒否権はないんだ・・・。」
妹子の勢いに圧倒されつつも、彼は差し出された袋を受け取った。
「あ、それ、見ればわかりますけど、普通の弁当箱なので夕方返しにきてください。」
「え、でも私・・・。」
「知ってます。いつも夕方は来ませんよね。
でも今、夕飯の分と朝食の分を持っていったら荷物になるでしょう?
店が閉まってからでもいいので、来てください。」
「そんなに優遇されてていいの・・・?」
「アンタだけは特別です。かなりのお得意様ですから。」
妹子の口調は強いものだったが、実は内心、相手の反応がどんなものなのか心配で胸の鼓動を速まらせていた。
ごくり、と唾を飲み込む。
「ありがとう。」
今まで呆然と話を聞いていただけの彼は、袋の中身を確認すると、顔をくしゃっと歪めた。
思っていた以上の好感触に妹子はほっと胸を撫で下ろす。
「・・・太子。」
「え?」
「私の名前は太子だから。そう呼んで。君の名前は?」
「・・・妹子です。」
「妹子・・・。そっか、いい名前だな!
じゃあ、妹子!また今夜、な!」
太子は白い歯を見せ、満面の笑みで手をひらひらと軽く振った。
それにつられて妹子も頬を緩ませ、小さく手を振り返す。
この日妹子は何故か一日中気分が良く、夕方が待ち遠しく感じられた。
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*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆あとがき*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆
何か妙に短くなってしまった。
出会ったのは何週間か前だけど始まりはやっとここからって感じだね!
妙にスランプ気味?なので早く治したいね!!
ではでは、いつもありがとうございます(*^ー^)ノ