暑い日が続いておりますがいかがお過ごしでしょうか。

 ヴィーナスハープの件、続き書こうと思うんですけどその前に、

 

最近弦が切れまくり、毎週のように行っている十字屋様で現在フェア開催中!

イリスナチュラルが4台!すごい!青山とL&Hの23号は複数おいてあることがありますが、過去にSalviのハープでこういうことはなかったと思います。

 今回、どれも「当たり」で、とても良くなりますがやっぱり鳴り方にちょっとずつ個性があって、よく見ると響板の薔薇も少しずつ違っていて、お気に入りを見つけていただければと思います。個人的には新しい楽器で勢いある感じの鳴り方するのが好きでした。

 

ダフネシリーズがお嫁入り決定後。1台は40弦の楽器でした。小さいけどいい音。あとマホガニー仕上げ(たぶん)のウーナなんてのもお買い上げされておりました。特注だったのでしょうか?

 それから十字屋様で楽器に絵を描いていただく方法なんていうのも詳しく聴くことができました。なんと持ち込み可。絵柄も自由。直線が難しいらしい。うちのアイリッシュにも描いてもらおうかな。

 

さてヴィーナス。

前回の記事書くのにちょっとホームページいってみたら、なんと新品の生産を終了したそうです。なんいうタイミング。また1社なくなる…やっぱりL&Hとの競合は大変だったのでしょうか…

 

ではちょっと話を巻き戻して。まずお金の話。

前回書きましたように、お値段すら楽器屋さんから「いくらなら買いますか?」って聞かれる状態でした。そりゃ安いに越したことはないんですけど、あんまり無茶も言えず…色々参考資料をそろえる。

 

実は昔々、ヴィーナスのカタログを送っていただいたことがあるのです。

久しぶりに出してきてみたら、

2002年!16年前!

響板模様が違いますがこの真ん中の機種なんだと思います。

 

ちなみに当時の日本での販売価格ですが、

今回の機種はないんですけど何機種か掲載されてました。

結構高い。46弦、ストレートボディのセミコンサートで265万円。

青山のオルフェウス46が150万円くらいからあるんで、ざっくり100万円くらい高い。

ヴィーナス様、「ご本家のL&Hより安い」っていうのが強みなはずなんですけど、全然そんな感じがしない。

 確かにL&H等、他の外国製ハープよりは安いんですが、やっぱり国内においてはなかなか青山様以上のコストパフォーマンスは難しかったのではないかと思われます。

 

 そしてヴィーナス様のホームページには現在の価格表が載ってる。(やっぱり日本版カタログの価格は単純なレート計算の1.5倍という感じ。)

 今回の楽器、実は日本国内で購入されたものではないんですけど、まずこのあたりから「元の値段」なるものを設定してみる。

 

 そして中古になった時の値下げ。中古グランドハープってそもそも出る数が少なく、出てもこんな風に内々に処理されることが多いので相場が分かりにくい。

 かろうじて、十字屋様と高田ハープサロン様は比較的オープンに中古を出されることがあるので例に出すと

 

・十字屋様が中古を売った時の値段がレギュレーション済でだいたい10年(Salviダフネシリーズ)0.6、30年(Salvi Minerva gold)0.4掛け。
・高田様がCamacクリオSという44弦を売った際、経過年数不明であるがレギュレーション済で0.45掛け程度であった。

 

で、さらに付加条件として、

 

・上位機種(特にgold以上)の方が値崩れしにくい(古くても欲しい人がいる)。下位機種はそれなりに下がる。
・小型ハープは用途が限られるのでフルコンサートよりは下がりやすい。
※46弦であっても同傾向だが、L&H Style17(ファンが多い)など一部の機種や、Horngacher harpsの製品(そもそも高級品で、以前は46弦が標準)はそれなりの額が保てることが多い。またErard、Wurlitzerなど歴史的に貴重な楽器、L&HやSalviでも生産終了となった機種で長期経過しても状態の良い楽器は希少性が出るため、いくらか持ち直すことがある。ただし、楽器として「良くなる」ことはないので、ヴァイオリン属のような上がり方はしない。あくまで「値段は下がっているが幅が少ない」レベル。


今回の楽器、正確な経過年数はわからないんですが少なくとも30年程度は経過していると考えらえました。よって今回は0.4掛け程度とするのが妥当な線ではないかと考え、ここから「レギュレーション後の価格」を割り出しました。

 これに、

 

・少なくとも全弦交換、フェルト交換が必要。調整代(何も交換しなくても2-3万)を合わせると10万くらいにはなる。ペダルスプリングやロッド、ディスクはすぐには大丈夫だと思うが交換の可能性あり。
・ダメージによってはもっとかかる可能性もあり。ネックは扱いに問題がなくても経年劣化でゆがむ部位。響板や響胴にヒビなどのダメージがあるのが一番大変で「作り直し」になる。(保管環境による。特に心配なのが乾燥で、関東では冬場湿度が40%を切ることが多く、これは楽器にダメージが出うる状態。)

・数年間はハープが分かる方の手で管理されていない。(弦切れっぱなし、ペダル入りっぱなし…)
・Venusは日本代理店がなくなった。(永江楽器が取り扱いを中止) →扱いに難しさがある。
・44弦、student model→需要が特殊。
 

等の条件を足して、「だいたいこれくらいだと思うんで、この程度の額の範囲だったら買う」っていうお返事をしました。

 

 

 結局、旦那様はお代に関してはご要望はされず、こちらからのご提案の下の方で話がまとまりました。楽器屋さんの倉庫にひきとられていた現物を確認、「致命傷」がないことを確認して、契約完了。

 日本に持ち込まれるときに専用のハードケースをおつくりになれたのですが例にもれず大きく重いので流石にすぐにもっていくことはできず、まずは楽器のみ回収してきました。

 

 ここから使える状態にするために、もう一仕事はじまります。

 

 まだ続く。