またずいぶんご無沙汰となってしまいました…
 コンサートからもずいぶん時間がたってしまって、忘れそうなので…

 




 SANAEさんと斎藤葉さんのエレクトリックグランドハープのデュオのライヴに行ってきました!

 エレクトリックのグランドハープなんて全社あわせても日本に10台はないだろうっていう楽器で、聴くことも少ないのにデュオ!





何かと話題の築地市場そばにあるBlue Mood様が会場。新橋から歩いたらあちこち工事中でRPGのごとく行き止まりにあたっては引き返しを繰り返しつつなんとか到着…




 ライヴハウスレストランで、どのメニューも大変おいしかったです!

 会場には存じ上げているハーピストの先生方やアマチュアの方たちもいらしていて、先生方の先生(=モルナール先生)や「楽器何つかってます?」みたいな話で盛り上がる。

 そしてライヴスタート!



 ギター、ベース、ドラムスをサポートに、2台のエレクトリックハープ!


SANAEさんの楽器は前回もご紹介したSalviのRainbow





十字屋様からの借り物の赤~緑に変化する玉虫色。


そして斎藤 葉さんの楽器は次に紹介予定のメーカー、フランスCamacのThe Blue





こちらは斎藤さんがお持ちの楽器。
これはそこそこ前のバージョンの楽器で、今はもっとシンプルなデザインになってます。
その名の通り、ハープとしては特異な青い楽器。

 現在日本に入っている企業では少なくともライオン&ヒーリー、サルヴィ、カマックの3社がエレクトリックハープを販売していますが、最も力を入れているのはやっぱりカマックでしょうか?様々なタイプ、サイズの楽器が販売されています。



SANAEさんがお持ちのカマックのエレクトリックレバーハープとエレクトロアコースティックのレバーハープ。
エレクトリックの方は、レバータイプも基本カラーは真っ青。

 でも実はサルヴィって30年くらい前にはグランドタイプのエレクトリックハープ作ってるんです。
 その名もSalvian!すごく気合入っている名前…45弦のストレートボディですがすごく重たく、響板まで真っ黒で、響板は音が出ないようになっていて(もう「響」板でない)、中には吸音のためスポンジが詰め込まれていたとか。そしてペダルまわりにもスポンジまかれて弾きにくかったと…日本に2台入ってきたらしい。
 今の楽器はアコースティックでも使えるようになっているので全然発想が違っていたようです。
(2018/01/07追記:すみませんSalvianは楽器の名前でなくて、楽器を紹介する雑誌の名前でした…楽器の名前は「エレクトリック」。そのまま。)

 ちなみに残る大手の青山様に聞いてみたところ、「検討したこともあるけど出す予定なし」とのことでした。ピックアップが難しく、開発に費用がかかるわりには市場も小さく…


 で、楽器自体の差がわかったかというと、「全くわかんない」というレベル。なぜかというと、エフェクターを用いて音色を自在に変えてしまうから!

 そしてお二人の演奏の仕方、エフェクターの使い方が全然違うので、その違いはくっきり!奏者ごとの特性が際立ちます。





 斎藤 葉さんはアコースティックのグランドハープだけでもL&Hやホルンガッハにとどまらずアンティークのエラールまで!そして箜篌まで!演奏されてしまう方で、エレクトリックでも演奏は優雅。そして確かなテクニックに裏打ちされた隙の無い演奏!
 エフェクターもアコースティックのハープの響きから延長したような、自然な用法。




 対してSANAEさんはこれぞエレクトリック!と言わんばかりのアグレッシブな演奏!音色もすごくゆがませて、時には、





ヘリウム吸って声を変えてみたり(はじめてのチュウ)、







そのまま襲いかかってみたり。(被害者:ギターのマチャさん)


楽曲もレディーガガから(SANAEさんの前半の衣装もレディーガガだった)ジブリやクラシックの(原型をとどめないレベルの)編曲まで。
 素晴らしい弾きこみのチックコリア、スペインと、アンコールで披露されたある意味エレクトリックハープがふさわしいファイナルファンタジーのプレリュードがお気に入り。



 とても刺激的でかっこいい演奏でした。
 エレクトリックハープ、これからどう発展していくのか。ハープを聴きに来る層と、エレクトリック(電鳴楽器)に慣れ親しんだ層はまったく違っていて、どこが支持層となるか難しい反面、逆にこれまで触れ合ってこなかった音楽をつなぐことができるのかもしれません。


 



ピエゾピックアップとか写真撮りたかったんですが、ライトの加減でご覧の有様。レインボーなんて青いライトだと全然光を反射しない。