「右近は、人知れず目とどめて見るに、なかにうつくしげなるうしろでの、いといたうやつれて、卯月の単衣めくものに着こめたまへる髪の透影、いとあたらしくめでたく見ゆ。心苦しう悲しと見たてまつる。」明雄は源氏物語22帖玉鬘の一節を予習という事ではないが、読んでいる。右近というのはかつて夕顔に仕え、夕顔亡き後は、紫の上に仕えている侍女である。紫の上は源氏の妻であるので右近には源氏と顔を合わせる機会もある。うつくしげなる、、、、というのが夕顔と内大臣の娘玉鬘である。玉鬘は乳母に連れられ筑紫の国より親を求めて上京して来て、途中の椿市で右近と出会い、後に玉鬘は親代わりの源氏の六条院で暮らす事になる。
「さて、文法の話はこれ位にしてと、、、。春から夏に掛けて、古文では、「源氏物語」を学んで行く予定ですが、全体的な話をしましょう。源氏54帖登場人物500名、これがねー、先祖が貴族の人は別にして中々解りにくい。古文ではもちろんですが、現代語に訳しても解りにくい。源氏・葵の上、源氏・女三の宮、源氏・紫の上。夕顔と内大臣の子筑紫で育った玉鬘、源氏と明石の御方の子明石の中宮、常陸で育った浮舟(桐壺帝の第八皇子・八の宮の子)。以上のように、源氏の夫婦関係と源氏の世話になって六条院に住む二人の姫と、源氏なき後の仮の子・薫と、孫・匂宮、浮舟の三角関係が解れば、全体が見渡せます。玉鬘は22帖から31帖まで、浮舟は45帖から54帖までの宇治10帖の後半に、登場します。源氏物語の最初の部分は何度もテレビ・映画・ドラマに登場してるので解り易いと思います。3人の姫、玉鬘、明石の中宮、浮舟の物語は、現在で言えば、福岡、兵庫、茨城出身の若い女性がどんな運命を辿るのかというドラマです。紫式部は京都が都の時代において兵庫出身の女性には中宮の地位を、福岡出身の女性にはその2人の娘がそれぞれ冷泉院女御、今上帝尚侍となり、茨城出身の女性には、私には痛々しく感じられますが、出家の境地を与えています。フィクションの世界で。」