読書日記2025-133

襷がけの二人

嶋津輝(著)

[文藝春秋2023年9月発行]


襷がけの二人 [ 嶋津 輝 ]

 

  あらすじ

裕福な家に嫁いだ千代と、その家の女中頭の初衣。 
「家」から、そして「普通」から逸れてもそれぞれの道を行く。 
「千代。お前、山田の茂一郎君のとこへ行くんでいいね」 親が定めた縁談で、製缶工場を営む山田家に嫁ぐことになった十九歳の千代。 実家よりも裕福な山田家には女中が二人おり、若奥様という立場に。 夫とはいまひとつ上手く関係を築けない千代だったが、元芸者の女中頭、初衣との間には、仲間のような師弟のような絆が芽生える。 やがて戦火によって離れ離れになった二人だったが、不思議な縁で、ふたたび巡りあうことに……



  感想

嶋津作品は6冊目。

以前からこの本をお薦め下さる方が多かったので気になっていた。

時代小説なので躊躇していたが…

面白かった!


これまでの嶋津作品とはひと味違うように思ったけど、人情話だけではなく人の愛憎や奥底の哀憐さも潜んでいるような奥深さがありましたね〜


戦前・戦中・戦後を生きた女性達の半生記!?

ちょっと際どいエピソードが印象づけられるけど、二人の性格の良さがそれも払拭し清々しい気持ちにさせてくれた。


激動の時代を生きた二人が再会した場面から始まり、過去に戻り、最後に再会後の場面で終わる。

最後は読者も爽やかな気分で読み終えられる作品でした!


ありがとうございましたm(_ _)m