読書日記2025-103
願わくは海の底で
額賀澪(著)
[創元社2025年2月発行]

あらすじ
あの日、菅原晋也は私たちの前から姿を消した。
彼が過ごした、高校三年間の軌跡の物語。
東北地方沿岸部のとある高校。 そこで起こるささやかな謎の中心には、いつだって彼がいた。 校舎が荒らされた前夜に目撃された青い火の玉。 プールサイドで昼食を取っていたとき、話しかけてきた同級生を水中に突き飛ばしてしまった女子生徒の真意。 テーマ不明の、花瓶に生けられた花の絵。 そして、高校卒業後大学に入学するまでの何者でもなかった2011年の"あの日"以来、私たちの前から姿を消してしまった彼自身──。 これは大切なものほどなくしてしまう悪癖に悩まされ、それでも飄々と振る舞う青年が歩んだ、高校生活3年間の軌跡を辿りなおす物語。
感想
全国の中学・高校の皆様から絶賛の声が続々届いています!
ブロ友さんのブログでこの文章を見て、『へぇ〜私世代にも響くんやろか?』と興味をもった。
第一話〜第五話
一話…青春の話?
二話…なんか不思議な雰囲気からの人の内面に入る話へ
三話…フムフム、人には色んな葛藤や見栄、自己防衛があるんだよね
四話〜五話
ここまでは、そういう事を書くための序章だったのね!
最終話はネタバレゴメンですが、〘東日本大震災〙 著者の力量を感じました!
震災関連の小説もたくさん読んだけど、こういう風な角度も…そして結果も…
この五話は他の著書で短編として発表されてて、それに一話〜四話を書き加えて完成した本なんですね!
書き加えがあってこそ最終話に想いが凝縮されていると思えた。
こういう物語を若い人たちが感動するって、まだまだ人間の心の純粋さを感じますね〜
はい、中高生のおばあちゃん世代にも響くと思います(^^)/
妙に気になった言葉
【大勢の人が、その《潮時》を無理矢理踏み越えてきた。】
震災を経験した方の気持ちは安易に分かるとは言えないけど、きっとこの言葉に凝縮されているように思います。
ありがとうございましたm(_ _)m