読書日記2025-39

さいわい住むと人のいう

菰野江名(著)

[ポプラ社2024年9月発行]

 

さいわい住むと人のいう (一般書 467) [ 菰野 江名 ]

 

あらすじ

ある日、豪邸に住む高齢の姉妹が二人とも亡くなった。 老姉妹は、なぜこんな豪邸に二人だけで住んでいたのか―?

地域福祉課に異動になった青年・青葉が紹介されたのは、大きな屋敷に住む八〇歳の老女・香坂桐子だった。 桐子は元教師で顔が広く、教育から身を引いてからも町の人から頼りにされていた。妹の百合子と二人だけで暮らしているという――。
物語は二〇二四年から二〇年ごとに遡り、姉妹の人生が少しずつ紐解かれていく。 戦争孤児で親戚をたらいまわしにされてきた彼女たちは、いつか自分たちだけの居場所を手に入れて、二人で幸せになろうと誓った。 しかし、ある選択を迫られて…
二人の女性の人生を壮大なスケールで描いた感動の物語。


感想

姉妹の物語を時を遡り描く6篇の連作短篇


姉妹が晩年に暮らす豪邸の秘密を、戦後から現在まで彼女たちの過去とともに紐解いていく。

そこには女性の生きづらさの変遷がリアルに描かれていた…。


2024年から20年ごとに遡っていく手法は、最近も他の小説であったな!?


プロローグの意味が徐々に解明されていく様が哀しい謎解きになっていた…ショボーン


戦争孤児の2人の人生、精一杯生きたと称賛を送りたい!

そんな時代に桐子は頑張ったけど、もう少し柔軟に生きられたらまた違う幸せがあったかもね…。


『男女均等雇用法』がまだ制定されていない時代。女性というだけで雇用の機会を奪われてはならないという法律。

それを夢見ているような時代に生きた姉妹


《ただみんな幸せになりたいだけ》


『山のあなたの空遠く、『幸(さいわい)』住むと人のいふ》山の向こう、遠い空のかなたまで行けば幸福があるのだと、誰かが言っていた


常々「死に様は生き様」と思っている私。
この姉妹はそれを完璧に熟したと思えた拍手
ひとつの夢を現実にするために生きた姉妹に魅せられました!

 📔 📕 📓 📗 📘 📙

今月(2月)はお気に入りの本がたくさん!
20冊中10冊。なんと半分が☆5つ本でした照れ
幸せだわ〜ハート

月イチ選べな〜い爆笑 とりあえず月サンで

ありがとうございましたm(_ _)m