読書日記2025-9

朱色の化身

塩田武士(著)

[講談社2022年3月発行]


朱色の化身 [ 塩田 武士 ]

 

あらすじ 

「聞きたい、彼女の声を」 「知られてはいけない、あの罪を」

ライターの大路亨は、ガンを患う元新聞記者の父から辻珠緒という女性に会えないかと依頼を受ける。一世を風靡したゲームの開発者として知られた珠緒だったが、突如姿を消していた。 珠緒の元夫や大学の学友、銀行時代の同僚等を通じて取材を重ねる亨は、彼女の人生に昭和三十一年に起きた福井の大火が大きな影響を及ぼしていることに気づく。 作家デビュー十年を経た著者が、「実在」する情報をもとに丹念に紡いだ社会派ミステリーの到達点。

  感想

塩田作品といえば社会派ミステリー。

なので、読む時は気合を入れてグラサン


序章は昭和31年に起きた芦原温泉の火事。

芦原って、戦争時に空襲で焼かれ、大地震があり、そして大火事と災難続きの土地と…。


ライターが行方不明のひとりの女性を探していく過程で、関連する人に話を聞いていくインタビュー方式。

宮部みゆきさんの『火車』に似てる?


その女性の人生を辿ってゆき、どこで序章と繋がるのかが興味深かった。

親子三代の不幸の連作…苦しいし腹立たしいな…


ただ登場人物が多くて、巻頭に紹介表があるけど足りてない…


落としどころは期待したよりも、姿を消した理由は呆気なかった…

凄い理由が隠れているのではと期待しすぎたかもてへぺろ

それでも波乱万丈な人生、人間はそんなに強くないとしみじみ…。


ありがとうございましたm(_ _)m