読書日記2024-225

朔が満ちる

窪美澄(著)

[朝日新聞出版2021年7月発行]

 

朔が満ちる [ 窪 美澄 ]

 

あらすじ

かつて中学1年の時に僕は、酒を飲む度に荒れる父親に手を焼き、遂に斧で殴りかかって殺そうとしたことがある──心に傷を負ったまま家族とも離れ、悪夢のような記憶とともに生きていく史也。 荒んだ生活の中で、看護師の千尋との出会いから、徐々に自身の過去に向き合おうとする──これは「決別」と「再生」の物語。



感想

お邪魔したブログで興味をもった1冊。


父へ、母へ、

この憎しみが消える日は来るのだろうか


重いですね…ひたすら重い!魂

どんどん気持ちが沈んでいく…

が、ページをめくる手が止まらないピリピリ


父親に虐待され続け父を殺そうとした過去を持つ主人公と、親に捨てられ施設で育った彼女。

傷の舐め合い……それってアカンの?


「こっち側の人間」という言葉を使わざる得ない環境で育つという拷問に耐えた人にしか分からない世界もあることでしょう。


『朔が満ちる』をAI先生に聞くと
《月の満ち欠けがここから始まること》

多少なりとも生家や生育にまつわる問題を抱えている人も多いだろうし、少しでも満ちていければいいなぁ〜と読みながら切実に思った!


窪美澄さんの重い1冊に魅せられました!


ありがとうございましたm(_ _)m