読書日記2024-204

その朝は、あっさりと

谷川直子(著)

[朝日新聞出版2024年8月発行]


その朝は、あっさりと [ 谷川直子 ]

 

  あらすじ

元中学教師の恭輔は80代後半には認知症になり、骨折をきっかけに4年前からは在宅介護を受ける身の上だ。 通称「かんたき」看護小規模多機能型居宅介護の看護師、介護士が自宅でのサポートをしているが、妻にとっては老老介護、かかわる子どもたちも還暦前後でらくではない。 オムツとトイレの大惨事、認知症の薬などを試みるが、次第に出来なくなってくることが増えていく。 万一の場合には救急車をどうする? 96歳で息をひきとるまでの20日間、家族や介護者はどのように備えるのか。 誰にとってもひとしく迎える最期はどのようなものなのか。死ぬときはどうなるのか。 そしてその日は信じられないほど「あっさりと」やってきたのだ。



  感想

なんとも意味深なタイトルで…

結局そのまんまでしたね。


96歳の父を看取るまでの二十日間を描く家族の物語。

妻と3人の子供に自宅で見送られるとは、何て幸せなんだろうと思えたのは私だけかしら?


完全な昭和の親父は感謝をすることもなく認知症になり、その壮絶な介護は悲惨な話も多々ありました。

やはりトイレ問題は悩ましい…。

それでも家族に介護をして貰えて、いい介護士さんや訪問看護師さんにも恵まれてるのは羨ましいと思える。


舞台が神戸で、阪神・淡路大震災を絡めてのも意図があるのかな?

一茶の俳句で物語を構成していったのは必要だったのか?


小説というよりドキュメンタリーぽく、著者の実体験なのかと思えた。


私も他人事ではない話なので、知識として"知る"ことは大いに勉強になり、近い将来に役立つかも?


ありがとうございましたm(_ _)m