読書日記2024-171
懲役病棟
垣谷美雨(著)
[小学館文庫2023年6月発行]
あらすじ
舞台はなんと女子刑務所!「後悔病棟」「希望病棟」に続くシリーズ第三弾!
神田川病院の“金髪女医”太田香織と看護師・松坂マリ江は、ひょんなことから女子刑務所に派遣される。 当初は、受刑者との距離を感じていたが、同僚から授かった不思議な聴診器を胸に当てると――
惣菜四三〇円の万引きで懲役二年を科せられていたり、夫からの執拗なDVに耐えきれず殺害に及んでいたり、はたまた悪い男にそそのかされ、クスリに手を出していたり、と彼女たちの切実な事情が見えてきた。 二人は受刑者たちとは個人的に接してはならないという禁を破り、あっと驚く方法で解決に乗り出してゆくが……。
感想
解説を務めた村木厚子さん(元厚生労働事務次官)の言葉 〈読み始めてしばらくは、リアルさにとにかく圧倒されました。〉
私はこの解説を読んで感想がかなり変わりました!
このシリーズのメインの"心の声が聴こえる聴診器" 今回もフル活用でちょっと引いていたし、女医さんのガラの悪さもいただけなかったけど…
受刑者の境遇や生い立ちなど、本人以外のところに原因がある場合が多く、
『ほとんどの女が犯罪者というより被害者だった』と、ガラの悪い女医さんにも沁みちゃったけど…。
受刑者は必ずしも最初から悪人ではなく、周囲の環境や家庭によって犯罪を犯してしまう。
犯罪者になるかどうかは紙一重?!
そして村井さんのいうリアルさ
「罪を犯す人のリアル」
「刑務所の中の暮らしのリアル」
「世間のリアル」
それぞれの説明には”なるほど!”としか思えなかった。
いかに自分もそういう人達を色眼鏡で見ていたかも突き付けられたかな…
壮絶な体験をされた村木さんだからこその言葉も重いですね!
昨日図書館で大量に…
ありがとうございましたm(_ _)m