読書日記2024-169

涙をなくした君に

藤野恵美(著)

[新潮社2019年12月発行]


涙をなくした君に [ 藤野 恵美 ]

 

あらすじ

私は、最愛の息子を支配しようとしている……?  人間の逃れられない性を抉る長編小説。

両親の愛を享受できなかった記憶に抗い続けながらも、いまだに過去から逃れられないカウンセラーの橙子。 テニスインストラクターの夫・律と小学一年生の息子・蓮と、一見平穏な生活を送っている。 だが、父が病に冒され、やがて再婚し、そして――。  愛された記憶のない人間に、「家族」を大切にすることができるのか


感想

図書館の返却棚で出合った本。

タイトルと表紙にビビッときたが…

はい、正解(*^^)v


父親に支配されていた家庭で育ち、その高圧的な父親、夫に辟易する母、父親を嫌悪する妹、そして現在カウンセラーの主人公。


結婚して子供もいるが、あらゆる場面で父親のことがちらつく。

父と絶縁した妹や、離婚した母と違い、まだ父と交流していて絶縁出来ずに本音と建前、苦しみと葛藤ばかり…


私も覚えがある感情に、どうしてそこまで支配されるのか?どうして正面からぶつからないのか?が知りたくて読み進めた。

(私ならば意見主張はせずにはいられない)

今更…と諦めているのかもしれないけど、父親や再婚相手にどういう想いで生きてきたかをぶつけて欲しかったなぁ〜


結局は納得は出来なかったし、最愛の息子を支配…の感情も大袈裟過ぎると思えたけど…

が、心惹きつけられ心揺さぶられるお話でした!私情混在で…


色んな言葉に付箋だらけになってたけど、長くなるので一つだけ


《幸福だから笑うのではない、笑うから幸福なのだ》


ありがとうございましたm(_ _)m