読書日記2024-161
どうしようもなくさみしい夜に
千加野あい(著)
[新潮社2023年5月発行]
![どうしようもなくさみしい夜に [ 千加野 あい ]](https://thumbnail.image.rakuten.co.jp/@0_mall/book/cabinet/0617/9784103550617_1_2.jpg)
あらすじ
高校入学を一週間後に控えたある日、これまでセックスワークで生計を立て、ひとりで僕を育ててきてくれた母が、突然「結婚したい」と言い出した。 僕は思わず、中学のときに、元風俗嬢と噂されていた先生のもとへ向かうが……(「今はまだ言えない」)。
肌を合わせることは、ときに切実で、ときにかなしく、ときに人を救うのかもしれない。 夜の仕事と、その周辺の人々をリアルに描き出す、「R18文学賞」受賞作家の鮮烈なデビュー作。
感想
誰もが、暗く寂しい夜を抱えている。それを、見なかったことにしないで。夜のリアルを切なくも優しく照らし出す、R18文学賞受賞作。
なんとも意味深な言葉であり感覚でした。
性風俗の世界に身を置く女性たちと、彼女たちの周りにいる人たちの物語。
風俗で働く人を主人公とした連作短編、あーこの人がここに登場なんだ!と繋がりが面白い。
"風俗" やはり世間一般では斜に見てしまう仕事…
私も理解はしてるつもりだけど、 支持したり応援したり…は身近な人に置き換えると難しいかもしれないな…
しかし彼女たちの心の内、そして家族の心の内、短いながらも女性たちの生き方が凝縮されていました。
ひとつひとつの物語は痛々しいのに、読了してみると温かくて優しい気持ちになれたのは収獲でした!
ありがとうございましたm(_ _)m