読書日記2024-138
闇に香る嘘
下村敦史(著)
[講談社2014年8月発行]

あらすじ
村上和久は孫に腎臓を移植しようとするが、検査の結果適さないことが分かる。 和久は兄の竜彦に移植を頼むが、検査さえも頑なに拒絶する兄の態度に違和感を覚える。 中国残留孤児の兄が永住帰国をした際、既に失明していた和久は兄の顔を確認していない。 27年間、兄だと信じていた男は偽者なのではないか――。 全盲の和久が、兄の正体に迫るべく真相を追う。
有栖川有栖氏が「絶対評価でA」と絶賛した第60回江戸川乱歩賞受賞作!
![闇に香る嘘 (講談社文庫) [ 下村 敦史 ]](https://thumbnail.image.rakuten.co.jp/@0_mall/book/cabinet/4824/9784062934824.jpg)
感想
先日読んだ『告白の余白』がもうひとつだったので、下村さんなら"コレ!"と教えていただいた本作を読みました!
これは…はい!面白かった(^^)v
さすが江戸川乱歩賞受賞作品だわ!
冒頭に著者の《受賞の言葉》があり、何回もトライした末の受賞であったと。
それでも芽が出ない方は沢山いるので努力の賜物なんでしょうね(^^)/
盲目の主人公の視点で語られるちょっと複雑な物語。
中国残留孤児問題の核心を突きながらのミステリー。
どう決着するのかが気になり、夢中で読んでたら頭痛が…
あぁ〜やっちゃった(~O~;) 結末を残して自粛…。時間を忘れて読み耽ると眼も身体も固まってしまう…
その結末がなんと…翻弄されました!
主人公は40歳で全盲になり、その苛立ちから普段の生活も社会生活も放棄し家族に寄りかかり生きてきた。
その結果…
《人間誰しも老いからは逃げられない。年老いた時周りに誰がいるのか…それが自分が積み上げてきた人生を表すと思う》
この言葉は、最近認知症グレーゾーンの義母と接する私が不安に思うことだ(-_-