読書日記2024-99

こまどりたちが歌うなら

寺地はるな(著)

[集英社2024年3月発行]


こまどりたちが歌うなら [ 寺地 はるな ]

 

あらすじ

前職の人間関係や職場環境に疲れ果て退職した茉子は、親戚の伸吾が社長を務める小さな製菓会社「吉成製菓」に転職する。 父の跡を継いで社長に就任した頼りない伸吾、誰よりも業務を知っているのに訳あってパートとして働く亀田さん。 やたらと声が大きく態度も大きい江島さん、その部下でいつも怒られてばかりの正置さん、畑違いの有名企業から転職してきた千葉さん……。 それぞれの人生を歩んできた面々と働き始めた茉子は、サービス残業や女性スタッフによるお茶くみなど、会社の中の「見えないルール」が見過ごせず、声をあげていくが――。 一人一人違う”私たち”が関わり合い、働いて、生きていくことのかけがえのなさが胸に響く感動長編!


感想

読友さんの感想から、古い体質の会社と全面闘う話かと思ったらそうでもなかったな…


表紙とタイトルからほんわかを思い浮かべるけど、何ともウジウジした人間模様が多めで、それに流されそうな主人公の茉子はこれまた中途半端な立場でアセアセ

やっぱり寺地作品らしい女性でしたね…


いつ爆発するの?と楽しみにしながら読み進め、まだか?まだか?で結局最終章まで引っ張ってくれた爆笑

茉子の成長物語という感じでもありました。


それぞれ人には色んな面があり、考えすぎると沼にハマって何も言えなくなる…


とにかく気になる言葉がいっぱい


亀田さんの言葉

《疲れるとなんにも考えたくなくなる。考えずにぜんぶ呑み込むほうが楽やって思うようにる》

それも分かるわ〜


お母さんの言葉

《本を千冊読んだらただの「本を千冊読んだ人」それだけのこと》

なるほど「学んだ」と錯覚しているだけとな


正置の言葉

《あの時逃げて正解やったって後から自信を持って言えたらええなって今は思ってる》

悩み苦しみもがき続け、現実と向き合って選択した結果は「逃げ」ではない!


そんな中でちょっと空気が読めない千葉さんだけど、ピシッと言い放つ姿が好きだわ〜飛び出すハート


ありがとうございましたm(_ _)m