読書日記2024-73
虚心
吉川英梨(著)
[幻冬舎2023年3月発行]
あらすじ
産廃の闇に消えた二つの命。 遺族と向き合う刑事が執念の捜査で摑むのは真実? 冤罪?
少ない降水量にもかかわらず、雨により埼玉県の黒部山で土砂崩れが発生した。 一人が行方不明になるなか、瓦礫からは不法投棄された産業廃棄物が大量に発見される。 県警は事故ではなく事件と判断、捜査一課の奈良健市も捜査に加わる。 捜査本部は崩落発生地の所有者特定に着手。 すると、意外な人物の名があがった。 それは迷宮入りさせてしまった十六年前の殺人事件で、奈良が犯人だと確信し、逮捕直前まで迫った因縁の相手なのだが……。
感想
産業廃棄物、不法投棄を題材にした社会派ミステリー。
最終的にはなかなか読み応えのある深いお話でした。
が…
400頁超えの長編にハマるまでが遠かった…『海蝶』の作家さんだしきっと惹かれるはずと挫折ぜずに頑張ったわよ(笑)
土砂崩れ事件から、16年前の未解決事件へ。
ちなみに主になる奈良刑事は前作があったそうな…『雨に消えた向日葵』
未読でございます。ワイルドだなぁ〜(笑)
細い糸を手繰るように繋がった解決への道。
そして真犯人!とじゃない方!
《情報というのは怖いんだ。全ての情報が公平にまんべんなく広がるわけではない。危機や疑惑は一瞬で広がる。だが言い訳や弁解は広がりにくい。信じてもらえないことも多い》
まさに現代ではネットの力が大きくて、悪い情報ほどあっと言う間に広がってしまうように思える…
昔は日本人は人種差別感も強かっただろうし、産廃問題もマスコミなどの情報が正義とは限らず、事実を見極めないととんでもない方向へいく可能性もあるということですね…
《正義の暴走ほど恐ろしいものはない》
ありがとうございましたm(_ _)m