読書日記2024-62
にんげんぎらい
大西智子(著)
[光文社2018年3月発行]
あらすじ
来る日も来る日も、工場のラインで鉄板を曲げ続けるまり江。 どうでもいい話題で盛り上がるパート達にも、煩わしい関係のママ友にも、怒りにも似た苛立ちを感じていた。 そんなまり江の唯一の宝物は5歳の娘・咲季だけだ。 この子を産んだことだけが、くだらない自分の人生の、たったひとつの功績に思える。 夫は数ヵ月前、家を出て行った。 理由はわからない。
感想
お邪魔したブログで知った作家さん。
図書館の棚で、何とも意味深なタイトルを見て手に取った。
コミュ障と陰口を言われる程に人を寄せ付けないが、それは自分のスタイルを貫くというものではなくて…
う〜ん、上手く言葉に表せないけど
自分という存在を拒否したい?
自分自身を持て余している?
それもこれも思い込みなんだよね。
誰にでもそういう面はあると思う。
著者のインタビューから
《どの人にもいい部分もあれば、悪い部分もあって、人に対する評価も変わっていく。そういう割り切れない感情を書きたいなって思ったんです》
そしてこうも仰っている
「まり江のように自分の子どもにしか心を開けない、そういう生き方しかできない女性のちょっとした変化を見てほしい。まり江のことを否定的に見るんじゃなくて、そういう女性でも生きているんだな、と読んでもらえたら」
なかなか奥が深いお話でしたが、それにしても一環して暗い話で、最後にちょっとだけ光が見えたかな?
ありがとうございましたm(_ _)m