読書日記2024-28
山ぎは少し明かりて
辻堂ゆめ(著)
[小学館2023年11月発行]
![山ぎは少し明かりて [ 辻堂 ゆめ ]](https://thumbnail.image.rakuten.co.jp/@0_mall/book/cabinet/7016/9784093867016_1_4.jpg)
あらすじ
瑞ノ瀬村に暮らす佳代、千代、三代の三姉妹は、美しい自然の中をかけまわり元気に暮らしていた。 豊かな自然を讃えた山々の景色の瑞ノ瀬村に、ダム建設計画の話が浮上する。 佳代たちの愛する村が、湖の底に沈んでしまうという。 佳代は夫の孝光とともに懸命に反対運動に励むが──。
定年退職まで営業部で忙しく働く佳代の娘・雅枝と、海外留学先であるイタリアで「適応障害」になり、1ヶ月と少しで実家に帰ってきてしまった孫・都。 湖の底に沈んだ瑞ノ瀬への想いはそれぞれにまったく異なっていた。
感想
三世代の親子の目を通じ、変わりゆく日本の「故郷」を壮大なスケールで描いた感動作。
著者はそれを伝えたかったというのがヒシヒシと感じましたね〜
三世代=孫→母→祖母の順で時代は遡り、それぞれが語り手なりますほぼ半分が祖母の時代だけどね
辻堂さんは若いのに世代を超えた物語をよく書かれますね。
本作のメインはやはり祖母の時代。
大切な人が戦地から帰ってくる日も、村中から祝われながら結婚式を挙げた日も、家で子を産んだ日も、その村が包みこんでくれたから…
先祖から受け継いだ土地への執着…
言葉は悪いかもしれないけど、やはり執着したとしか思えなかった。
最初は同情した想いも、あまりの頑なな姿に辛さを超えて嫌悪感…
しかしそれは当事者にしか分からない感情なんでしょうね
私がいちばん惹かれたのは、やはり同世代の母の第二章!
親への感情も子供への感情も理解できるし、仕事への想いも共感出来る部分が多かったな〜
ダムの話は現実にもあったことみたいですね。
国のいい加減さもチラリと見え隠れしたようなところがあったけど、そこも現実なのかしら?
ありがとうございましたm(_ _)m