読書日記2023-201
死にたい、ですか
村上しいこ(著)
[小学館2018年7月発行]
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あらすじ
いじめ遺族の苦悩と葛藤。心に迫る衝撃作
四年前、人見由愛が中1の時に兄・典洋は高校でのいじめに耐えられず、自ら命を絶った。 母の伊代は今も立ち直れず、裁判により兄の無念をはらそうと必死だ。 父親はアルコール依存症に陥り、会社生活も惨憺たる状態。 家族は崩壊寸前。 一方、母親からの依頼でいじめ裁判の取材を進める新聞記者・大同要は、自身のトラウマからこの家族に深入りするようになる。
沈みそうな家族を必死でつなぎ止めたい由愛。 彼女のもがいた末の選択は。そして、家族は・・・?
感想
村上しいこさんの他の本を探していたがなかったので、この衝撃的なタイトルに惹かれて借りてみた。
いじめを苦に兄が自殺したことで崩壊していく家族。
母は息子の死に納得出来ず訴訟にのめり込み、父は苦しみから逃れるため酒に溺れる。
これはノンフィクションか?と思えるほど、ここ数年でもあったような裁判の様子がリアルに蘇ってきた。
いじめの実態の話に、我が息子だったらと思うと卒倒してしまうだろう私…
その裁判の様子は本当に腹立たしてくて、イジメをしていた奴らと学校側、弁護士の示す命の軽さが衝撃的でした
その家族を取材する新聞記者の過去も絡み話は進んでいくけど、結末は消化不良だった…
光が見えるような結末ではあるけど、まだまだ危うい家族に幸あれ
本文より
《人が前に進めないのは、想像力の及ばない、この先どうなるかわからないことから生まれる恐怖心から逃げようとするからなんですよ》精神科医の言葉から
全ては想像力なんですよ!
相手の気持ちを想像するのは人間だからこそ出来ることなのに…。
ありがとうございましたm(_ _)m