読書日記2023-183

夜の道標
芦沢央(著)
[中央公論新社2022年8月発行]
✩✩✩✩
あらすじ
あの手の指す方へ行けば間違いないと思っていた――
1996年、横浜市内で塾の経営者が殺害された。 早々に被害者の元教え子が被疑者として捜査線上に浮かぶが、事件発生から2年経った今も、被疑者の足取りはつかめていない。 殺人犯を匿う女、窓際に追いやられながら捜査を続ける刑事、そして、父親から虐待を受け、半地下で暮らす殺人犯から小さな窓越しに食糧をもらって生き延びる少年。 それぞれに守りたいものが絡み合い、事態は思いもよらぬ展開を見せていく――。 慟哭の長篇ミステリー。
感想
前半は話の筋がよく見えず、4人の語り手がどう交わるのかが見えた頃から最後まで一気読みでした!
語り手は、二人の少年と殺人犯、殺人犯を匿う女性と、犯人を追い続ける窓際刑事の4人。
舞台は1996年、最近も話題になる旧優生保護法の強制不妊。
優生を保護して劣性を排除しようとした法律!?
わが子が加害者や被害者になったら…と考えてしまうのも分かるが、本人の気持ちは無視で、障害をもつ子は不幸との決めつけたのが、どうだろう?と問題提議された話でした。
とにかく身勝手な大人達にただただ腹立たしい
殺人の理由は、裏切られた怒りが戸川に向かってしまったのか?
それとも…
その辺りが曖昧なのは、読者に考えされるためなのかな?
少年の絆、精神障害、毒親、貧困と多くのテーマを盛り込んだお話でした。
ありがとうございましたm(_ _)m