読書日記2023-109
自転しながら公転する
山本文緒(著)
[新潮社2020年9月発行]
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あらすじ
【中央公論文芸賞受賞作】【島清恋愛文学賞受賞作】
東京で働いていた32歳の都は実家に戻り、地元のモールで店員として働き始めるが…。 恋愛、家族の世話、そのうえ仕事もがんばるなんて、そんなの無理!
答えのない問いを生きる私たちをやさしく包む物語。 7年ぶり、待望の長篇小説
感想
初読みの作家さんです。
本屋大賞にノミネートされてから、ずっと予約数が多くて様子見だった本書。 やっと少なくなってきたので読んでみた。
同年代の作家さんなのでその年代に近い人の話かと思えば、32歳の女性が主人公?
と、違和感をもったが、何となくご自分の自叙伝ぽいのかな?
と、作家さんのことを全く知らないのにそう思ったら、
『面倒くさい女を書かせたら天下一品』
と、感想があったのでこういう作風なのか?
アラサー女子の悩み、心情の揺れを細かく描いていて、共感と自己中な発想にイラつきつつ…
どう成長するのか見届けようと読みきった。
アラサー世代が読まれたらメチャクチャ共感されるかも?!
誰だって聖人君子じゃないし、打算もあれば自惚れもある。
そこを赤裸々に描かれ、いちばん言いたいことは何なんだろう?と読了後に自問していた。
結局はこの言葉に凝縮してました
《別にそんなに幸せになろうとしなくてもいいのよ。幸せにならなきゃって思い詰めると、ちょっとの不幸が許せなくなる。少しくらい不幸でいい。思い通りにはならないものよ》
プロローグがずっと気になり…
エピローグでやっと謎がとける…
憎い演出でした
ありがとうございましたm(_ _)m