読書日記2023-80
カサンドラのティータイム
櫻木みわ(著)
[朝日新聞出版2022年11月発行]
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あらすじ
スタイリスト見習いとして働く友梨奈と、牛肉加工工場でパートをしている主婦の未知。 それぞれに何かから「抑圧」されている。 現代社会で生きていく女性のやるせなさを見事な筆致で描きつつ、他者と他者がつながれることを希求する、期待の新鋭の飛躍作。
感想
かなり読後感はざらつきます…
カサンドラ症候群なる言葉を初めて知った私です。
カサンドラ症候群は病症名ではなく、関係性の中で生じる苦しみの状態。
自己愛性パーソナリティ障害を抱えた男と関わってしまった二人の女性も心に大きな傷を負う。
ストーカーにでっち上げられて仕事も人間関係も失ったり、夫のモラハラに耐える生活を送っていたり…
最初の友梨奈の身に起きたことは、安易な調子に乗った行動への罰?なんて思ったけど、意味不明な相手に混乱。
未知の場合はDVされても自分が悪いから…となる典型的なタイプと思ったけど、その辺りを丁寧に分かりやすく書かれていた。
自己愛性パーソナリティ障害は、優越感(誇大性)、賞賛への欲求、および共感性のなさの広汎なパターンを特徴とします
私的にはラストの決断は反対だけど、こんな夫婦も世の中には意外と多いのかも?
ありがとうございましたm(_ _)m