読書日記2023-78
羊毛フェルトの比重
髙森美由紀(著)
[産業編集センター2022年4月発行]
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あらすじ
手芸店・八戸クラフトに勤めて10年の紬(つむぎ)は、毎日の小さなモヤモヤにつぶされそうになっていた。 リスペクトのない職場、ご都合主義の彼氏、微妙な親子関係…。 気にし始めたらキリがないから、すべてに慣れてしまうのがラクだ。 すべてにフタをしながら生きていけばいいのだ。 でも、手芸台につけられたタバコの焦げ跡を目にしたとき…
このままでいいのか?30歳・紬の「自分を取り戻す」物語。
感想
読み始めは何か乗れなくて、特にクソみたいな男に都合よく利用されている紬に嫌悪感
おまけにえらそうな職場の先輩。
微妙な関係の母親。
何を言われても自分の気持ちや言葉を隠して、やり過ごしてしまう紬の性格にイライラ…
が、題名の意味が分かり始める後半になり、どんどん惹き込まれた!
誰だってそんなに思うようには生きられないし、言いたいことを言える訳では無い…
ささくれだった紬の心を癒やしてくれるのは羊毛フェルト。
自己肯定できる唯一の時間があるだけで、自分を保っていられるというのもしんどいけど、何もなかったらもっと生きづらくなっちゃうな。
最後のクソ男への紬の対応に尊敬です!
犬のさくかくや猫のみっちゃん
うん、みっちゃんの存在がお陽さまのようだったのに…
でも…私は亡くした愛猫を再現して欲しいとは思わないのよね…
ありがとうございましたm(_ _)m