読書日記2023-50
ネメシスの使者
中山七里(著)
[文藝春秋2017年7月発行]
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あらすじ
ギリシア神話に登場する、義憤の女神「ネメシス」。 重大事件を起こした懲役囚の家族が相次いで殺され、犯行現場には「ネメシス」の血文字が残されていた。 その正体は、被害者遺族の代弁者か、享楽殺人者か、あるいは…。
『テミスの剣』や『贖罪の奏鳴曲』などの渡瀬警部が、犯人を追う。
感想
著者の他の本にも登場する名前が多いのは、中山作品ではあるあるなのかな?
最近読んだ法医学の光崎教授、そこに出入りしていた古手川刑事、その上司の渡瀬刑事が主でした。
岬検事も他であったような?
そうそう渋沢判事ってのもなかったかな…?
本題に戻り、何ともやり切れない話が多くて、犯罪を犯す者の背景だけでなく、被害者家族、加害者家族、捕らえる者、裁く者の感情…
どれもこれもやり切れない想いが、こんなにも克明に表現されててどこに感情移入していいのか?
極悪事件犯人は死刑にするべきかどうかの判断も、最後まで読むと考えさせられます。
せめて贖罪の気持を持って欲しいな…
ありがとうございましたm(_ _)m