読書日記2022-193
緑陰深きところ
遠田潤子(著)
[小学館2021年4月発行]
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あらすじ
兄さん、今からあんたを殺しに行くよ――。
大阪ミナミでカレー屋を営む三宅紘二郎のもとに、ある日一通の絵葉書が届いた。 50年前、紘二郎の住む廃病院で起きた心中事件。 愛した女、その娘、彼女たちを斬殺した兄……人生の終盤を迎えた紘二郎は、決意を固めた。兄を殺す、と。
思い出の旧車を手に入れ、兄の住む大分日田へ向かおうとする紘二郎の前に現れたのは、中古車店の元店長を名乗る金髪の若者・リュウだった。 孫ほど年の離れた男との不思議な旅が始まった。
道中のさまざま出来事から、明らかになってゆく二人の昏い過去。 リュウの身体に隠された秘密とは――?
旅の果て、辿りついた先で二人の前に広がる光景に、心揺さぶられる感動作。
感想
ちょっと意味深なタイトルから、やはりかなりの意味深な内容でした?! 前回癒やされた分が吹っ飛んだ?!
遠田さんお得意の"劣悪な生育"は、今作でも登場しましたね〜
つらすぎる…
復讐に囚われた者と人生を清算し、最後に親の愛を確かめたかった者の出会い、それは偶然ではなかったとは…。
それにしても二人とも背負っているものが重い…。
結局は"死"というものを伝えたかったのか?
すべての生命はいつか朽ちるものと、誰もが知りながら死に直面して交錯する様々な想い…
"生きたい"と思う気持ちは自然なこと!
終章はやっとやっと…
事実は変えられないけど、救いがありました!
ありがとうございましたm(_ _)m