読書日記2022-189
正欲
朝井リョウ(著)
[新潮社2021年3月発行]
✩✩✩
あらすじ
あってはならない感情なんて、この世にない。 それはつまり、いてはいけない人間なんて、この世にいないということだ。
息子が不登校になった検事・啓喜。
初めての恋に気づいた女子大生・八重子。
ひとつの秘密を抱える契約社員・夏月。
ある人物の事故死をきっかけに、それぞれの人生が重なり合う。
しかしその繋がりは、"多様性を尊重する時代"にとって、ひどく不都合なものだった――。
「自分が想像できる"多様性"だけ礼賛して、秩序整えた気になって、そりゃ気持ちいいよな」
これは共感を呼ぶ傑作か?
目を背けたくなる問題作か?
感想
昨日アップした本の"不登校""引きこもり"にまだザワザワしつつ読み始め…
これまた、いきなりの不登校問題&引きこもり
しかし『8050』の分かりやすさから一転、とにかく複雑…
異性愛者が普通とされる世の中で叫ばれる、都合の良い「多様性」ダイバーシティ
性癖については、死を思うほどの悩む人もいるんだと…。
そういうことに苦しんでいる人達を、この本を読んだからと、
理解した!考えさせられた!、共感した!
なんて安易に言ってはいけないと強く思いました。
確かに知らない世界を知り、そこに想いを寄せるのは大切なこと。
しかし、あくまでも正面的なこちら側からの想いかも…
それでもどんなに悩もうと"繋がり"が救いになるのは、どんな世界でも同じなんですよね!
朝井さんの想いが溢れてますね!
ありがとうございましたm(_ _)m