読書日記2022-187

ガラパゴス 上・下

相場英雄(著)

[小学館2016年1月発行]

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あらすじ

警視庁捜査一課継続捜査担当の田川信一は、身元不明のままとなっている死者のリストから殺人事件の痕跡を発見する。自殺に見せかけて都内竹の塚の団地で殺害されたのは沖縄県出身の派遣労働者・仲野定文だった。仲野は福岡の高専を優秀な成績で卒業しながら派遣労働者となり、日本中を転々としていた。田川は、仲野が非正規雇用労働者として勤務していた三重県亀山市、岐阜県美濃加茂市を訪れる。そこで田川が目にしたのは国際社会に取り残され、島国で独自の進化を遂げる国内産業の憂うべく実態だった。

仲野殺害の実行犯を追いながら、田川はコスト削減に走り非正規の人材を部品扱いする大企業、人材派遣会社の欺瞞に切り込んでいく。



【原作者・相場英雄さんコメント】

働いても働いても一向に給料が上がらない……先進七カ国中で最も平均給与の安い国が日本だ。 世界的に見ても特段に規制が緩和され、派遣労働者の数が大多数となった日本の労働市場の歪さが原因の一つだ。 原作を描いた七年前よりも、働く者を取り巻く環境はより苛烈になっている。 田川が辿る容疑者確保への道筋は、あなたが直面している厳しい生活の写し鏡かもしれない。


感想

田川信一シリーズの第二弾は、それぞれ300p超えの上下本。

これでシリーズ制覇です(^^)v


長く解決出来ない事件を再捜査、ひとつずつ解き明かしていく手法はシリーズ全て同じ。


今回の社会問題は"派遣"

派遣の実態は決してフィクションではない気がします!


簡単に犯人を逮捕だけじゃなく、そこにしがらみがあり長いものには巻かれろ…

ここが何とも口惜しい!!


必ずや腐った警察官や政治家、そして大企業の幹部がいるんだよな…


来年早々にNHKでドラマ化されるらしい。

多くの人にこういう実態を知ってほしい。 かなりシビアな話だけにどこまで原作に忠実に表現されるのかが楽しみで期待してます!


ありがとうございましたm(_ _)m