読書日記2022-164
たおやかに輪をえがいて
窪美澄(著)
[中央公論新社2020年2月発行]
✩✩✩✩✩
あらすじ
風俗に通う夫、不実を隠した父、危険な恋愛に耽る娘…夫の心も、娘の顔も、今は見たくない。
結婚20年、主婦・絵里子の人生は穏やかに収束するはずだった。 次々つきつけられる思いがけない家族の“真実”。 大きな虚無を抱えた絵里子に、再び命を吹き込むのは整形した親友、乳癌を患った老婦、美しい風俗嬢…?
人生の中盤、妻でも母でもない新たな道が輝き出す傑作長編。
感想
等身大の52歳女性の日常なんですよね。
だから、ある意味とても感情移入できるし、してしまうかも?!
少し前に読んだ定年オヤジ改造計画 の奥様の方が主役って感じです。
夫や娘しかいない世界で長年生きてきて、その人生を見つめ直すときがきた!
様々な人の影響を受けて変化していく様子は、読んでいて清々しくもあり、ちょっと羨ましくもあったわ。
ただ、この女性は基本的には恵まれている。
助けてくれる友達がいて、自然と仕事も付いてきたし…。
この本の題材としては"性"?
旦那さんが風俗店通いをしていると知ったら…
本書を読んで少し理解と言うか、受け止め方が変わったかも?
文中で、贅沢なひとり旅をした時に出会った女性、この方にどハマリ!
60過ぎの乳癌経験者の言葉は、6年前に同病を患った私が常々思っていること!
「私はね、機嫌良く死にたいのよ。この世からいなくなるときに、あんなことをしておけばよかった、こんなことをしておけばよかった、なんて後悔したり、誰かを恨んだりしたくないの。やりつくしたー、生きたーって思って死にたいのよ」
もう〜もう〜もう〜その通り!
だから、もちろん許される範囲ではあるけど、行きたい所ややりたい事を諦めたくないし実行したい。
ここにいちばん感情移入しちゃいました
気に入らないところもあるけど、感情が揺さぶられて一気読みだったので✩5つ
ありがとうございましたm(_ _)m