読書日記2022-128
奔流の海
伊岡瞬(著)
[文藝春秋2022年1月発行]
✩✩✩✩
あらすじ
1968年、静岡県千里見町に近づく台風は、五十年に一度とも百年に一度とも言われる豪雨をもたらしていた。 住んでいるところが危険区域に指定された有村一家は、小さい赤ん坊がいることもあり、親戚の家に避難を決めるが……。
それから20年後、千里見町で『清風館』という旅館を営む清田母娘の前に、坂井裕二と名乗る大学生が現れる。 坂井は約一年ぶりの客だった。 裕二は過去に何か事情があったらしく、その謎に千遥は惹きつけられていく。
感想
久々の伊岡作品。
記憶は薄いけど…『代償』を読んだような…?
序章の意味が分からず、どこで繋がるのかがこの話のミソかも?!
それがほぼ終編で繋がり、そこからは一気に…まさに翻弄された感じ
タイトルの「奔流」という通り、激しい勢いで周囲に翻弄され続けた裕二が、自分が何者なのかを知っていく過程は悲しく辛い…。
裕二が年齢ごとに成長していく様子、千遥の心情の変化が交互に描かれていて、二人の物語がどう交わっていくのか楽しめた!
読了感も良くて、上手い作家さんだと思いました
ありがとうございましたm(_ _)m