読書日記2022-111
トリカゴ
辻堂ゆめ(著)
[東京創元社2021年9月発行]
☆☆☆☆
あらすじ
殺人未遂事件の容疑者は、無戸籍だった。 刑事の里穂子は捜査を進めるうちに、かつて日本中を震撼させた〝鳥籠事件″との共通点に気づく。
蒲田署強行犯係の森垣里穂子は、殺人未遂事件の捜査中に無戸籍者が隠れ住む生活共同体を発見する。 その共同体“ユートピア"のリーダーはリョウ、その妹のハナが事件の容疑者となっていた。 彼らの置かれた状況を知った里穂子は、捜査が“ユートピア"を壊すのではないかと葛藤を抱くようになり…… 『十の輪をくぐる』の著者渾身の書き下ろし長編ミステリ。
感想
この社会に対して、なかなか辛辣で核心をつくような話だった。
"無国籍"
数年前からマスコミにも取り上げられる問題で、色んなケースがあるけど、現社会からはハミ出た存在となり社会生活を営むことが困難な立場…
だから本書では、そういう人達で"共同体"を作り、外の世界とは関わらない"ユートピア"で生きている。
そこで守られて生けていけるならば、そっとしてあげてよ!
と思わずにはいられないけど、やはり戸籍も住民票も保険証の問題は大きいかな。
ミステリとしての部分は、根本的な事件の真相についていまいち腑に落ちないかも?!
そんなに面倒な複雑な事を、短絡的な人間がするかな?
落とし所は本当に良かった!
手を差し伸べてくれる人は必ずいる!
人を信じらることがまず一歩ですね
ありがとうございましたm(_ _)m