読書日記2022-93
包帯クラブ
ルック・アット・ミー!
The Bandage Club Look At Me!
天童荒太❨著❩
[筑摩書房2022年3月発行]
☆☆☆☆☆
あらすじ
関東のはずれの町に暮らす高校生、ワラ、ディノ、タンシオ、ギモ、テンポ、リスキ。 彼らはそれぞれに傷ついた少年少女たちだった。
戦わないで自分自身の大切なものを守りたい、そんな思いから彼らは包帯クラブを結成する。 その活動を描いた前作『包帯クラブ』から16年。 本作では前作の終わりから話が始まる。
人が傷ついた場所に包帯を巻く活動は、無理解や反発などを受け、自粛を余儀なくされる。 しかし、ひっそりと会うなかでバンドを始める。 バンドの発表の場を求めながら、別の形での包帯クラブの実現を試みる彼ら。
本作では、未来の、成人した彼らの姿も交差して描かれる。
この世界にあふれた悲しみのひとつひとつを手当することは難しいが、だから何をしたってむだ、とは言いたくない。自分たちのやり方で、自分を守り、大切な人たちを守ろうと踏み出す彼らの第二幕が開く
感想
あらすじが長くなってしまったけど、どれも載せずにはいられない気持ちになりました!
前作では、近未来からの報告書があり、それが16年後の今とシンクロ?
16年前から構想があったように、そのままの流れの話が続くのには参った![]()
素晴らしい構想ですね!
前作では語られなかった人物の登場からの広がりが凄いわ〜![]()
日本の片田舎から世界に広がります![]()
![]()
もうお気に入りの言葉で溢れたので抜粋
『逃げたら負け、なんてことはないし、逃げなかった奴が勝つ、なんてこともない』
『人に助けを求めることは弱さじゃない。自分が弱い存在であることを認めて、他の人と協力し合うことのできる、勇気ある人の行為』
偏見や差別、そして争いのない世界への挑戦状にも感じた…。
エピローグまでの10Pは涙腺崩壊よ![]()

