読書日記2021-129

【希望のゆくえ】

寺地はるな❨著❩

[新潮社2020年3月発行]

☆☆☆


突然、失踪した弟。 あいつの真実の姿に、僕は辿り着くことができるのだろうか……。

弟が放火犯の疑いがある女と姿を消したらしいと、母から連絡があった。 僕は彼と交流があった人物に会いに行ったが、弟の印象はそれぞれまるで異なっていた―。

弟はどういう人間だったのか。

誰のために生きてきたのか。

僕たちの声は、弟に届くのだろうか。

人生の「希望」とは何かを問う、話題の作家が拓く新境地。


希望のゆくえ

 

なんとも感想の難しい本です…


普段は交流のない弟が失踪し、真の弟の姿を求め探そうとするとなりつつも、自分自身を見つめ直す??ことになっているような…。


救いようのない大人がたくさん出てきて、不愉快な気持ちにもなるけど、みんな親や誰かに支配されて生きてきた可哀想な大人なんですよね。


弟は、『自分の事を空っぽの人間、人が見たい姿、望む姿にしか自分がなれない核の無い人間』だと言う…


『他人が欲しがっているものを差し出し続ける人間は、きっとどんどん心が空っぽになっていく…』


そんな生き方しか出来ないと、自分自身が分からなくなるでしょうね。


起承転結が分かりやすい方が好みの私には、ちょっとモヤモヤが残るお話でした。


ありがとうございましたm(_ _)m