読書日記2021-118
【階段にパレット】
東直子❨著❩
[ポプラ社2020年11月発行]
☆☆☆
子どもも、大人も、どなたでも、絵を描きにきて下さい――。
イラストレーターの実弥子は、下町の路地に佇む古い民家を借りて、小さな絵画教室を始める。 ひっそりと開いた教室だったが、類まれな絵の才能を持つ少年とその母親、長いつきあいの編集者、近所の小学校に通う子どもたち、隣人の母娘など、さまざまな人たちが訪れるようになっていく。
画家だった夫の突然の死を受けとめきれずにいた実弥子だったが、絵を教え、ともに描くことによって、少しずつ生きる力を取り戻していく……路地の片隅で紡がれる人の営み、絵を通したやわらかなつながり、静かな時間が丁寧に描かれていく。
多分、初読みの作家さんだと思います。
猫に導かれて出会った古家、そこから始まる物語。
前半はちょっと苦戦したけど、後半になるにつれ、流れがよくなり、そのうちにその優しい世界に自然と馴染んでいた感じです(^^♪
主人公の言葉で上手く表せない少年との会話や接し方、絵画教室に通う子供や大人に対しての穏やかさと心の広さに感心しながら、いつの間にか読了(^^)/
『誰だって、考えていることのすべてが、言葉にできるわけではないのにね』
その通り!
言葉もそうだし絵もそうかな?
心に素直に自由に絵を描くことで、思い込みや決めつけに囚われていることに気づけるのかもしれないですね…。
ありがとうございましたm(_ _)m