読書日記2021-105

『代理母、はじめました』

垣谷美雨❨著❩

[中央公論新社2021年2月発行]

☆☆☆✬


義父の策略で、違法な代理母出産をさせられた17才のユキ。 

再び代理母をさせ稼ごうとする義父の手から逃げだし、ユキは自らの経験を逆手に取り、自分のような貧しい女性を救う大胆な〈代理母ビジネス〉を思いつく。

ユキを支えるのは医師の静子&芽衣子のタッグと、ゲイのミチオ&一路。さまざまな事情を抱えた「子どもを持ちたい」人々が、最後の砦としてユキたちを頼ってやってくるが…。

日本の生殖医療の闇、貧困層の増大、妊娠・出産をめぐる負担など、現代日本が放置した社会問題を明るみにしながら、「代理母」ビジネスのタブーに切り込んだ問題作。


 

代理母、はじめました (単行本)

 

垣谷作品は、割と現実的なテーマが多かったので、今までとはちょっと異質に感じました。


《代理母》=不妊 だけではなく、高齢・独身女性・LGBTなど、現代では認められない人達も求めてくるが…。


時代を近未来にしたのも、大災害で日本が破壊され、貧富の差が激しい設定なのも、法律を曖昧にするためのことなのかな?


生殖に関しては、どこまでがOKで、どこからが「神の領域」になるのか??


そもそも代理出産って発想は、どっち側から出たんだろう?

医療者側か当事者からか?


数年前に向井亜紀さんが代理母で子供さんを授かった時に、代理母に関する本を何冊か読みました。


当時は大抵の人が『代理母になるのはお金のため』と思われていた。

私もその程度の知識だったけど、妊娠出産を経験した人には分かるだろうが、これは命懸けのことなんですよね。


だから、お金だけじゃなくてボランティア精神がないと出来ない!

その人に子供を抱かせてあげたい、子供のいる人生を捧げたいと思い代理母になる…。

それを読んで、いつか皆んなが解ってくれるといいなぁ〜と思ったのを思い出しました。


垣谷さんらしくないとの感想も多いけど、読者皆さんそれぞれに考えて欲しいことを提起されたのかなとも思いました。


ありがとうございましたm(_ _)m