読書日記2021-67
『カーテンコール』
加納朋子❨著❩
[新潮社2017年12月発行]
経営難で閉校が決まっていた萌木女学園。 とにかく全員卒業させようと、課題のハードルは限界まで下げられていたのに、それすらクリアできなかった私達。 もう詰んだ。 人生終わったと諦めかけた矢先、温情で半年の猶予を与えられ、敷地の片隅で補習を受けることに―。
でも、集まった生徒達は、さすがの強者「ワケあり」揃い。
こんな状態で、本当にみんな卒業できるの?
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題名から、華やかな舞台を連想したけど、全くかけ離れたお話でした(^.^;
登場する女子大生は、それぞれに何らかの問題を抱えている。
コミュ障、睡眠障害、拒食症、依存症、性同一性障害など…
リレー形式で物語は進んでいくが、そこに関わる理事長が鍵ですね(^_-)-☆
その理由は最終章で語られるが、身につまされるような内容…。
女子大生の問題も、ひとつひとつは深刻だけど、著者の文体がそれを優しく時にはユーモラスに書かれているので、読む方もどんどん進んでいける。
理事長が、卒業できずに居残った女子大生を『カーテンコールよろしく、舞台に居残ってくれた』と表現している。
そして、
『難儀で厄介と言いつつ、これ程充実した日々はない!』と締めくくってます。
ひまわりの花言
「あなたは素晴らしい」
そして、はなむけの言葉
「ひまわりのように、常に明るい方、暖かい方を目指して進んで下さい。そうすれば、そんなに大きく間違えたりはしませんから」
いいお話でした!
ありがとうございましたm(_ _)m